ご意見・ご要望・お問い合わせ

2022年3月10日

3月10日予算委 森田議員が総括質疑・石本議員が討論

3月10日 予算委員会では、9日続いて、総括質疑が行われ、

日本共産党堺市議会議員団からは、代表して森田こういち議員が質疑を行いました。

予算案の採決にあたり、

自由民主党・市民クラブと堺創志会が共同提案で、

また、公明党堺市議団からそれぞれ一般会計予算に対する修正案が出されました。

採決の結果は、公明党堺市議団から提出の修正案が可決されました。

 

日本共産党は、2つの修正案については、原案よりは、一定評価するものの、残余の案件についても問題が多いことから、原案・修正案共に反対をしました。

予算案に対する討論は、石本京子議員が行いました。討論の要旨は、以下の通りです。

2022年度当初予算並びに関連議案(要旨)

 2022年度当初予算並びに関連議案について日本共産党の意見を申し述べます。

3月10日 予算委で討論する石本議員

 この1年、市長は堺市財政危機宣言を発出し、「財政危機脱却プラン(案)」を公表しました。

 しかし、現在堺市の財政状況の中で、「財政危機」として言える指標は、収支財政構造の弾力性を示す「経常収支比率」の高さです。これまで、堺市は無駄な大規模公共事業も抑制してきたため、普通建設事業費の割合は政令市平均よりも低くなっています。また、

 一方で、100%を超えた経常収支比率は改善する必要はありますが、そのためには不要不急の事業を見直すべきです。なお、堺市は、将来返済するために積み立てている減債基金には手をつけておらず、今すぐ財政破綻するような状態ではありません。したがって「財政危機宣言」などを発出し、市民の不安を煽る必要はなく、十分に改善できる余地も時間もあります。ここで重要なことは、市民が納得できる合意形成を行うことです。

 市長は経常収支比率が100%を超えたままだと「不測の事態や新たな行政課題への対応が難しくなる」と言いますが、今般のコロナ感染拡大を見ればわかるように「不測の事態」に対しては、国が財政補填を行います。そもそも、「新たな行政課題」とする財源確保の主な目的・実相は、建設事業・開発事業のためにあります。そして、これまでの質疑の中でも指摘してきましたが、その開発事業の大元は、大阪府市が巨費を投じて推進する万博・カジノIRに他なりません。

 当局は、今回公表した財政収支見通しで「堺市財政危機脱却プラン案」の取り組みを反映したことで、年13億円から38億円、市税等の歳入が前回の試算より増加したことに伴い年6億円から25億円、前回公表時から収支改善する見込みとなったと述べています。

 しかし、今回の改善見込みは、2021年度(令和3年度)の政府経済見通しにおいて「2020年度(令和2年度)は最近の感染拡大も含め新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況となり、実質▲5.2%程度、名目▲4.2%程度の成長が見込まれる。」とされる一方で「2021年度(令和3年度)中には、経済がコロナ前の水準を回復することが見込まれる」とこのように、V字回復が既に見込まれていました。申し添えておきますが、外需寄与度は残念ながら、さほど回復するとは見込まれていません。

 そして、2023年(令和5年)、2024年(令和6年)までは市税等の増加の方が収支見通しの改善への寄与度は高いものです。したがって今回の改善は、脱却プランの取り組みよりも市税等の増加によるものが大きいと述べておきます。

 また、以下のようなやりとりもありました。「例えば、脱却プラン案を全て行わなかった場合、推計期間中、近い将来、すなわち、2030年(令和12年)で基金が枯渇することはないのか」と聞けば、「ない」との答弁でした。

 さらに、「財政危機脱却プラン案」に示されている「おでかけ応援制度の見直し」と「泉北高速鉄道通学負担軽減事業の廃止」の2項目を除外しても、他の項目を実施すれば財源調整に活用可能な基金残高が162億円を下回ることはありません。また予算編成に必要な基金残高は、推計期間中、確保できるとのことです。

 当局は、「おでかけ応援制度を存続させるために見直す」しかないような答弁を繰り返しました。ところが、「本当にそうか」との重ねての問いには、答弁していません。

 また、当局は「低所得者の支援になる」「健康増進の代替策」という旨の二つの意見を強調していますが、意見はこれだけはありません。多くの市民の主な意見は「現在の制度の維持・拡充」です。これは、永藤市長が議会でも公言していたものと同一のものです。

 繰り返しますが、収支改善を目指すのは、財政運営において必要なことです。しかし、そうであっても、多くの市民を巻き込み大きな運動へと発展した「おでかけ応援制度」の見直しは、結果として否決され存続することになりました。これは、何を意味しているのか。堺市の行政当局は、この結果を住民自治の観点からどう捉えているのか。議会と市民、行政が議論をして出した結果は尊重されるべきです。意固地になって自分の意見が通るまで何度でも同様の提案を繰り返す姿勢は、民意を無視するものであり、根本から改めていただくよう申し上げます。

 地方自治体の本来の役割は、地方自治法にうたわれる住民の福祉の増進を図ることであり、市民一人一人が堺市に住んでよかったと実感できるまちづくりです。こうした立場に立って、以下各点にわたり、予算案に対する意見を順次申し述べます。

 まず、脱炭素の取り組みについてです。2022年度(令和4年度)予算案の柱の一つとして「カーボンニュートラルの実現」が上げられています。堺市の温室効果ガスを2030年度に2013年度比で50%削減する場合、年間約25万t削減する必要があります。臨海部の大規模工場等の温室効果ガス排出量は市全体の約4割、中小製造業は約1割となっており、市民へ脱炭素の取り組みを呼びかけるだけでなく、市内事業者がCO2削減に抜本的に取り組まなければ到底達成できないものです。とりわけ大規模事業者ほど取り組みが必要であり、本市からそこへの指導を強く求めます。

 また、都心部脱炭素化調査業務について、堺東駅~堺駅エリア間で排出される温室効果ガスの調査をすることで、削減できる排出量を把握するとしていますが、他にも交通量の多い大型道路や、大規模工場地帯など大量排出が予測できる地域があるなか、狭小な範囲に限定して調査する意味はあるのでしょうか。大幅なCO2削減に向けた調査をするのであれば、市内全域の実態把握や、より効果の見込める調査をすべきと述べておきます。

 家庭向けスマートエネルギー機器等導入促進事業のうち、新規事業の電気自動車や燃料電池自動車への導入支援は、新たに自動車を購入できる市民に限定されたものです。幅広い市民が活用できる事業を拡充することを求めます。事業全体で年間約1000tのCO2削減が見込まれていますが、年間25万tの削減が求められるなか、さらに効果のある抜本的な取り組みの強化が必要です。

 ナッジとデジタルによる環境行動変容促進事業について、2022年度(令和4年度)の利用者は5000人、効果としてCO2削減量1000t目標ですが、アプリを利用する市民のみへの働きかけだけでは効果は限定的であり、幅広い取り組みとはなりません。多くの市民とともにCO2削減について考え、ともに取り組んで持続可能な堺市のまちづくりを目指すため、目標を明確にして周知し、協力しあえる施策を強めることを求めます。

 次に、ガス気球運行事業についてですが、アメリカのプラントにおけるトラブル発生により、ヘリウムガスの調達が当面難しい状況です。先の見通しのない、又、急ぐ必要のない本事業は、中止することを求めます。

 次に、西区市民課窓口業務等委託事業についてです。

 本事業は2016(H28)年度から経費削減と要員管理、業務の効率化を目的に民間委託をしたものです。他の区の窓口にも拡大していません。なぜなら、当初の人件費よりも委託料の方が高くなり続けています。導入時は、「日々の業務運営のために、専門的な知識の継承が容易でない課題があり」、その課題解消のためとされていました。しかし、他の区の窓口で、専門的な知識の継承はできているとことです。つまり、民間委託したが、当初の目的に反して、市の財政負担が拡大している事業であり、直ちに見直しをすべきです。

 次に「さかい女性の就職応援プロジェクト」については、働きたいと考えている女性と人材不足に悩む企業の雇用のミスマッチを解消することにより女性の就業率の向上を目指すとされていますが、様々な条件を抱える女性の雇用に対して特に重要なのは、それぞれの条件に合った働き方ができる職場であるかどうかです。経営者の意識改革を通じた職場環境の整備などの支援を強化することを求めます。

 「SNSやAIを活用したシングルマザー等就業支援事業」についてですが、時間的な制約のあるシングルマザーに対し就職マッチングアプリを活用して収入増と就職後の定着向上を目指すとしていますが、マッチングのみで条件に合う就職先を確保できる保証はありません。シングルマザーの課題解決のためには、就活支援だけでなく、必要に応じた生活、養育面に亘る適切な支援の拡充・強化を求めます。

 中小企業支援のDX支援については、多くの中小零細企業が、長引くコロナ禍を乗り切るのに精一杯で、デジタル化を進める余裕もないという厳しい状況にあります。各事業者の課題に対応したきめ細やかな支援を拡充することを求めます。

 次に、国民健康保険特別会計についてです。

 新型コロナウイルスに感染した国民健康保険の被保険者への傷病手当金について、個人事業主等は対象とされていませんが、この間、事業主も対象に含めたり、傷病見舞金など一時金として支給する自治体が増えています。働かなければ収入が途絶える個人事業主が感染した時に休める環境をつくるため、堺市でも見舞金などに取り組むことを求めます。

 次に、高齢者健康増進施策のうち、大阪府健康アプリ「アスマイル」に堺市独自のオプションを付加することについて、デジタルディバイドの課題もあるなか、限定された対象者しか利用できないのであれば効果は見込めません。これまで効果が実証され、多くの市民に喜ばれている「おでかけ応援制度」事業こそ高齢者健康増進施策として市長の公約通り維持・拡充して進めるべきです。

 次に、学校教育についてです。

 今、小・中学校は、さまざまな課題を抱えています。コロナ感染は、幼児・児童・生徒にも広がり通常の学校教育にも影響がでています。

 学力向上の課題は決して堺市だけのことではありません。全国的には、小・中学校で独自に少人数学級の取り組みが行われています。

 この度、小学校では、40年ぶりに法改正が行われ、5年がかりで35人学級が実施となりました。しかし、中学校に関しては、何ら触れられてはいません。学力向上のためにもいじめや不登校など深刻な課題解決のためにも、生徒にしっかり目が行き届く少人数学級を実現することが重要です。また、コロナ感染の広がりには「三密の回避」をしなければなりません。堺市が独自で、中学校の少人数学級実施にむけ検討することを強く求めます。

 また、コロナ感染対策の重要性が増す中、養護教諭の果たす役割は重要です。保健衛生指導と合わせ、心身に不調を来した児童生徒は、保健室を利用します。複数配置する基準は、小学校801人以上、中学校851人以上、これでは、実態に合いません。配置基準の見直しを国に要望することと合わせ堺市独自の複数配置も検討を求めます。

 小・中学校における学校図書館教育の推進についてです。文科省は2021年(令和3年)から2025年(令和7年)までの第6次学校図書館整備5ヵ年計画を提起しています。市内すべての学校図書館に学校図書館標準を満たす図書の配備、新聞の配架、そして当面1.3校に1人、将来的には1校に1人の週30時間勤務の司書配置を到達とする計画です。堺市も計画的に学校図書館の整備に取り組むことを強く求めます。

 学校教育のICT化に22億円余りの予算が組まれています。しかし学校現場の実態は、どうでしょうか。ICT化については、学習効果や成長途上にある子どもへの影響等まだまだ十分な対応はできていません。教職員の声を聴き、学校現場の実情をしっかり調査し対応することを求めます。

 さらに、タブレット端末のリース契約終了後の費用負担は保護者なのか公費なのかいまだに示されません。先の見通しのないものに、国の補助金が出るからと前倒しして飛びつく姿勢は無責任であります。

 堺・モビリティ・イノベーション推進事業については、前のめりで推進していくようです。まずは、現況交通量の調査のうち、シャトルバスと阪堺線の乗り継ぎ利用者数を把握するものとありましたが、 当局が自動運転バスなどを導入しようとする将来において、様変わりしている本市のまちなみを考えたとき、今、現在の調査を実施する必要があるのでしょうか。

 また、SMIプロジェクトのうち、自動運転については、全国で実証実験や本格導入が進められています。しかし、公共交通における自動運転の導入の事例は、羽田空港は別として、比較的小規模自治体である、人口24072人の茨城県境町(さかいまち)で、時速18キロ、11人乗りのバス、人口18773人の福井県永平寺町(えいへいじちょう)で、時速12キロ、6人乗りのバスが導入されているそうです。本市の中心市街地における導入ということになれば、課題が山積するでしょうし、そもそも喫緊の課題ではない本事業は削減すべきと求めておきます。

 以上、述べてきましたが、当面、実施が困難、不急な「臨海部活性化推進事業」約3億9千万円をはじめ「堺・モビリティ・イノベーション推進事業」や「都心部脱炭素化調査業務」「ガス気球運行事業」「健康アプリを活用した生活習慣の改善」「大阪観光局負担金」「ナッジ×デジタル×インセンティブによる環境行動変容の促進」「都市OS」「全国青年市長会負担金」これら9つの事業の中止を行なっただけでも、総額で約5億7千2百万円の支出の削減。一般財源でも、約1億5千万円の支出の削減を行うことができます。

 自民党・市民クラブ、堺創志会と公明党堺市議団から2つの支出削減の修正案が出ていいます。これについては、原案よりは、一定評価するものですが、残余の案件についても問題が多く、「修正案」については、同意できません。また、市民や議会の意見に耳を傾けぬ市長の市政運営姿勢にも重大な問題があると指摘し、2022年度当初予算案並びに関連議案について反対するものです。