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2022年3月24日

3月24日 本会議 「痴漢被害への対策」意見書 賛成多数で可決 など

3月24日の堺市議会の本会議が行われ、
国に対する意見書が議員提出議案として、提案され採決されました。

日本共産党堺市議会議員団などが提案会派となった意見書
「痴漢被害への対策を求める意見書」が賛成多数で採択されました。「大阪維新の会」だけが反対をしました。

同じく、提案会派となりました

「最低賃金の改善と中小企業支援策の拡充を求める意見書」

は賛成多数とならず否決されました。

その他

「介護職員の処遇改善に関する手続きの簡素化と対象職種の拡大を求める意見書」

「物価の値上がりをセーブし、賃金を上げる安心な国民生活を求める意見書」の2件は、

全会一致で採択されました。

「地方創生と感染症対策に資するデジタル化の推進を求める意見書」

「コロナ感染拡大等の緊急事態における司令塔機能強化を求める意見書」

「 緊急事態に関する国会審議を求める意見書」

には、それぞれ石本議員・いぬい議員・藤本議員が討論を行い反対しました。

討論の要旨は以下の通りです。

「地方創生と感染症対策に資するデジタル化の推進を求める意見書」

                      石本 京子議員 討論要旨

 議員提出議案第6号「地方創生と感染症対策に資するデジタル化の推進を求める意見書」について日本共産党を代表して意見を申し述べます。

 本意見書案は、今政府の進める「デジタル田園都市国家構想」に基づいて、教育・医療・介護などの幅広い分野にデジタル化を進める、そのための社会的インフラ整備等を政府に求めるものとなっています。

 本来、情報通信などデジタル技術の進歩は、人々の幸福や健康に資するものでなくてはなりません。地方自治体においても、地方自治の発展や「住民の福祉の増進」のために、この技術を有効に活用していくことが求められます。新型コロナウイルス感染防止のためにデジタル技術を活用することも求められるものです。

 しかし、2020年版情報通信白書によると、企業などが提供するサービスを利用する際に個人データを提供することについて8割が「不安を感じる」と答え。インターネットを利用する際に感じる不安については「個人情報や利用履歴の漏えい」の割合が88.4%にのぼっています。

 本意見書でデジタル化を進める対象となる教育・医療・介護などには、センシティブな個人情報を多く含むため、ひとたびその活用において、個人情報の漏えいが起きれば、その影響は甚大なものとなります。

 政府は、「デジタル庁による健康・医療・介護、教育等の分野におけるデータ利活用」「将来的に分野横断的なデータプラットフォームの構築」つまりマイナンバー制度の拡大を目指しています。「データが競争力の源泉」だとして「データ利活用」を「成長戦略」と位置付け、利用しやすい仕組みづくりを進めてきています。昨年成立したデジタル改革関連法では、 個人情報保護法制の一元化で、自治体の個人情報保護条例に縛りをかけ、都道府県、政令市にオープンデータ化を義務化し、オンライン結合の禁止は認めないとしています。保護の仕組みを切り捨て、個人情報保護を求める住民に応えた自治体の独自策も掘り崩すものとなっています。

 また、「誰一人取り残されないデジタル社会」とは、すべての人をデジタル技術の中に急速に押し込むことでないはずです。デジタル技術が停電時や様々な原因によって起きる通信障害で機能しないことは容易に想像のつくことです。先日も国税庁の税申告システム「e-Tax」が税申告の期限直前に通信障害を起こしています。デジタル技術を活かすことで、迅速簡便化が図られる手続きとともに、対面・窓口での相談業務を拡充し、住民の選択肢を増やすことこそ求められるべきです。しかし、総務省の自治体戦略2040構想研究会では、逆に、半分の職員数でも担うべき機能が発揮される「スマート自治体」をめざすと打ち出しています。総務省の幹部は「無人窓口も実現可能ではないか」とも発言しています。

 こうした政府の状況の中で、進められるデジタル化の諸施策には、重大な問題があると考え、本意見書案に反対するものです。

「コロナ感染拡大等の緊急事態における司令塔機能強化を求める意見書」

                      いぬい 恵美子 議員 討論要旨

 議員提出議案第7号「コロナ感染拡大等の緊急事態における司令塔機能強化を求める意見書」について日本共産党を代表して意見を申し述べます。
本意見書案は、コロナの感染拡大に乗じて「司令塔機能」すなわち政府に強い権限を与えることをめざし、法改正を求める内容となっています。

 しかし、現政府がとっているコロナ対策は当初から、科学的知見や検査体制、保健医療体制が弱く、蔓延防止のための休業や営業への損失に見合った補償になっていません。
ワクチン接種においても、「8カ月経過後に3回目接種」という政府方針の見直しが遅れたために、高齢者3回目接種が感染拡大に追いつかない事態になりました。オミクロン株の急速な拡大に検査能力が逼迫(ひっぱく)する事態も生まれました。本意見書の求める法改正では、現状に見合う対策をとることに到底つながらないことから、本意見書案に反対するものです。

「緊急事態に関する国会審議を求める意見書」

                      藤本 さちこ 議員 討論要旨

 議員提出議案第8号「緊急事態に関する国会審議を求める意見書」について日本共産党を代表して意見を申し述べます。本意見書案は、新型コロナウィルス感染症の広がりや巨大地震の被害への対応について、現在の憲法に「緊急事態に対応するための規定がないことから、多くの課題を残してきた」として、そのための国民的議論を喚起することを求めるものとなっています。

 緊急性を要する課題に対応する場合であっても、個人の権利は最大限尊重される必要があり、権利制限により生活が脅かされるときには、その補償も課題となります。

 感染防止は市民の協力を得ての法律上の対応で十分可能です。

 感染防止の必要性を過度に強調して憲法に緊急事態条項を新設することは、個人の権利規制が必要以上に強化される危険があります。このような危険を防ぐためには、政府に情報を開示させて説明責任を果たさせ、政府の施策を民主的に監視することが重要です。また、政府の適切な説明と十分な経済的支援があってこそ、市民の理解に基づく効果的な感染防止が期待できます。

 よって本意見書案に反対するものです。

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それぞれの意見書の案文は、上記記事のそれぞれの下線部をクリックしてご覧下さい。

各会派の意見書に対する賛否は以下の通りです。

意見書(案)の採択結果(各会派の賛否)