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2022年8月30日

カジノ・統一協会など意見書(案) 8月24日議運に提出

8月24日(水)議会運営委員会に市民からの要望・陳情などを受ける中、

国に対する意見書(案)以下の4件を提出しました。

① 大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」(カジノ・IR計画)の承認についての慎重審査を求める意見書(案)

② シルバー人材センターの安定的な事業運営のために適格請求書等保存方式(インボイス制度)導入にかかる適切な措置を求める意見書(案)

③ マイナンバーカードの健康保険証利用に伴う健康保険証の原則廃止方針等に慎重対応を求める意見書(案)

④ 統一協会と政界との癒着疑惑の解明とその被害救済を求める意見書(案)

 

案文は以下の通りです。

「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」(カジノ・IR計画)

の承認についての慎重審査を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 大阪府・大阪市は、4月27日、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」を国土交通省に申請した。

 「区域整備計画」の議会議決に至る過程で開かれた公聴会では、反対意見が9割を占め、地域住民の合意がとぼしいものとなっている。大阪府・大阪市は「区域整備計画案」を2021年12月末に公表したが、広報誌等への掲載等、府民への周知は一切行われていない。また住民説明会は11回しか行われず、しかも最後の4回はコロナ感染拡大を理由に中止された。880万府民への説明として甚だしく不十分なものである。また、「IR計画の是非についての住民投票条例」の制定を求める府民の約20万筆に及ぶ直接請求は、わずか半日の府議会の審議で否決している。

 「区域整備計画」は、カジノへの日本人の入場者を年間1067万人と見込んでいるが、IR事業者・日本MGMリゾーツ代表が大阪市会での参考人質疑で「2%の確率でギャンブル依存症の発症」を認めており、近隣住民のギャンブル依存症のリスクが高まることへの懸念がある。同時に治安の悪化や犯罪多発への住民の不安は大きいものがある。

  また、これまで、知事や大阪市長が「カジノには一切税金を投入しない」としてきたにも拘らず、大阪市はIR予定地の土壌改良に約790億円を負担することを決定した。さらに、大阪府・大阪市と大阪IR株式会社が締結した「基本協定」には、今後予測される地盤沈下に莫大な費用を公費で負担する可能性が示されている。既に、夢洲のインフラ整備費用は当初予算から大きく膨らみ、関連事業である淀川左岸線二期工事も上振れが公表されるなど、今後、自治体の財政負担が際限なく膨らむことによる住民生活への悪影響が懸念される。

 IR入場者数が年間2000万人(うち日本人が1400万人)、IRの年間売り上げ5200億円、その内カジノの売り上げ4200億円という「区域整備計画」は、コロナ禍前の2019年12月に大阪府・大阪市が発表していた「IR基本構想」を大きく上回り、過大なものであると言わざるをえない。とりわけ日本人のカジノ入場者予測は430万人から1067万人へと2・5倍に膨れ上がっており、その根拠は明らかにされていない。計画の根幹にかかわる数字の根拠が示されないもと、過大な計画を認定すれば将来に禍根を残しかねない。

 よって本市議会は、国に対して、これらの問題点をあいまいにすることなく、大阪府・大阪市が申請した「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」を承認することについて慎重審査を求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2022年 月 日

堺 市 議 会

 

シルバー人材センターの安定的な事業運営のために適格請求書等保存方式

(インボイス制度)導入にかかる適切な措置を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 シルバー人材センター(以下、「センター」という。)は、高齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づき設立された営利を目的としない公的団体である。地域の日常生活に密着した就業機会を提供することなどにより、高齢者の社会参加を促進し、高齢者の生きがいの充実、健康の保持増進、地域社会の活性化、医療費や介護費用の削減などに貢献している。

 2023年10月に、消費税において適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入される予定となっている。ところが、同制度が導入されると、免税事業者であるセンターの会員はインボイスを発行することができないことから、センターは従来あった仕入税額控除ができなくなり、消費税の税負担額が新たに増加する。しかしながら、公益事業を行うセンターの運営は収支相償が原則であり、新たな税負担の財源はない。

 人生100年時代を迎え、国を挙げて生涯現役社会の実現が求められる中、報酬よりも社会参加・健康維持に重きを置いた「生きがい就労」をしているセンターの会員に対して、形式的に個人事業者であることをもって、インボイス制度をそのまま適用することは、地域社会に貢献しようとしている高齢者のやる気、生きがいをそぎ、地域社会の活力低下をもたらすものと懸念される。センターにとっては、新たな税負担はまさに運営上の死活問題である。

 よって、本市議会は政府に対し、シルバー人材センターの会員への配分金については、インボイス制度の適用除外とする等の適切な措置を講ずるよう強く求める。

 以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2022年 月 日

堺 市 議 会

 

マイナンバーカードの健康保険証利用に伴う

健康保険証の原則廃止方針等に慎重対応を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 政府は2022年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)において、2023年4月以降、医療機関等でのマイナンバーカードの保険証利用(マイナ受付)等に係るシステム導入を義務づけるとともに、24年度中には健保組合等の保険者が健康保険証を発行するかを選べる制度の導入を目指す。将来的に健康保険証の「原則廃止を目指す」としている。

 マイナンバーカードの取得は法令で国民の任意に委ねられているが、保険証を原則廃止すれば、医療を受けるために、マイナンバーカード取得することを強制される。

 また、マイナ受付の導入・普及は、医療現場において、ICT機器に不慣れな利用者への手助け、マイナンバーカード紛失等のトラブル増や日々のシステム運用管理はじめ様々な負担増が懸念される。

 国民健康保険であれば郵送、社会保険であれば会社を通じて保険証を受け取るため、市町村の役所に行く必要はない。しかし、マイナンバーカードで診察するには、マイナンバーカードに内蔵する電子証明証の交換期限が5年のため、5年に1回は役所に行かなければならなくなり、さらに、10年ごとに訪れるカードの更新では、役所に出向く必要がある上に、新しいカードの発行には10日以上かかると言われている。また、保険証であれば、一般的に月に1回の窓口提示で済むが、マイナンバーカードは受診のたびに読み取り機にかざす必要が生じる。

 また、マイナンバーカードを他人が扱うことはできず、総務省は介護施設入所者などについて、「本人の同意を得て、カード裏面の個人番号をカバーなどで隠せば、カードを預かることも可能」と説明しているが、認知症の方など顔認証ができない場合は、暗証番号を職員が入力しなければならないなどの問題も生じる。

 マイナンバーカードを日常的には持ち歩かずに大切に保管している人も多い。そうした人に医療機関への持参を強要することはできない。マイナンバーカードを保険証として使うかどうかはそれぞれの患者の任意とせざるを得ない。こうした点を考慮すれば、保険証の廃止は現実的ではない。

 よって本市議会は、国に対して、医療機関におけるマイナ受付等に係るシステム導入の義務化、保険者における保険証発行の選択制導入や保険証の原則廃止などについて慎重な対応と検討を求める。

 以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2022年 月 日

堺 市 議 会

統一協会と政界との癒着疑惑の解明とその被害救済を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 世界平和統一家庭連合(以下 統一協会)を巡っては1980年代以降、霊感商法で高価なつぼや印鑑を買わされるなどの被害が続出している。複数の信者が起訴され、有罪判決も受けている。多額の強要的な献金をめぐって民事訴訟を数多く起こされるなど、その活動の違法性が指摘されている。さらに、正体を隠した勧誘活動を広く行ってきたことでも知られ、社会問題性や反社会性がある団体である。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、確認できた金銭被害は昨年までの約35年間で総額1237億円、相談は3万4千件を超えている。

 2018、19年には、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、全国会議員に対し、慎重な行動を求める声明や要望書を出してきた。

 「反社会的」とも指摘される宗教団体と政界に、不透明な関係があるのなら看過できない。被害が広がる一因にもなりかねない。

 しかし、共同通信が全国会議員(712人・欠員1人)を対象にしたアンケートでは、回答のあった583人から与野党を問わず、計106人から、「政治献金を受けた」「パーティー券購入」「選挙活動の支援を受けた。」「行事・会合・集会に出席した」などの接点が明らかにされた。

 岸田政権の内閣改造後も次々と統一協会とのかかわりを認める閣僚、副大臣、政務官が現れる中、その全容解明と政府の説明責任を問う声も強まっている。

 また、統一協会の被害救済の措置を取ることも重要である。

 よって本市議会は、以下の点を政府及び国会に強く要望する。

1.国会議員・閣僚等が自ら、統一教会とその関連団体の関係を進んで明らかにし、今後団体との関係を断つことは、言うまでもないが、国会・内閣の責任において、政界と統一協会との関係の全容解明を行う。

2.統一協会からの被害者の相談窓口の設置や救済・被害再発防止の対策を行う。

 以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2022年 月 日

堺 市 議 会