2022年10月6日
カジノ慎重審査要求 全会一致で 意見書可決
カジノ慎重審査要求 堺市議会 全会一致で意見書
堺市議会は9月30日の本会議で、IR(カジノを中核とする統合型リゾート)誘致をめぐり「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備計画について慎重かつ厳正な審査を求める意見書」を維新・公明会派を含む全会一致で可決しました。日本共産党堺市議団も提案会派となり共同提出したものです。
意見書は、大阪府と大阪市が国に提出したIR・カジノ整備計画について、推進派が期待する一方で「反対の立場からは、整備にあたっての公金の負担を疑問視する声や、ギャンブル依存症患者が増えること、またその対策が不十分だとの懸念の声などがある」としています。
早ければ今秋にも認可が出される可能性を想定し、賛否どちらの立場も「大阪府の将来や、府民の生活に大きな影響のある事業」との認識は共通しており、認否にあたり、国に慎重かつ厳正な審査を求めています。
(「しんぶん赤旗」2022年10月6日記事より転載)
★★★ 意見書の全文は以下の通りです。 ★★★
議員提出議案第32号
大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備計画について
慎重かつ厳正な審査を求める意見書
大阪府・大阪市は平成28年12月の「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」の可決・成立以来、カジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致に向けて取り組んできた。現在、大阪府・大阪市が提出した整備計画が国で審査されており、早ければ今秋にも認可が出される可能性もあるとされている。
これまでIR・カジノ整備計画については、多くの議論が交わされ、今もなお賛否様々な見解が存在している。推進の立場からは「大阪・関西の持続的な経済成長のエンジン」との期待が寄せられ、事業者からの土地賃料や交付金を福祉財源にできるとの意見などがある。一方で反対の立場からは、整備にあたっての公金の負担を疑問視する声や、ギャンブル依存症患者が増えること、またその対策が不十分だとの懸念の声などがある。いずれも相反する見解のようではあるが、共通しているのは、プラスであれ、マイナスであれ、「IR・カジノは大阪府の将来や、府民の生活に大きな影響のある事業」だということである。当然、府内自治体である本市、及び本市の市民は、その影響を多分に受けることになると考えられる。またそれらが大阪府のみならず、関西圏を中心に、周辺自治体にも影響のあるものだということは、推進派、反対派の双方が主張していることである。また、IR・カジノの整備は、わが国にとっても初めてのものであり、申請された計画は大阪、長崎の2か所だけであることからも、その一つひとつの審査が、極めて重要なものだということは言うまでもない。
ついては、国に対し、「大きな影響のある事業」である本整備計画の認可にあたり、特定複合観光施設区域整備計画法の定める整備基準に基づき、慎重かつ厳正な審査を実施するよう求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年9月30日
堺 市 議 会