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2022年2月15日

最賃・「敵基地攻撃」・痴漢被害 意見書(案)提出 2月15日 議運

2月15日(火)に開催されました議会運営委員会に
日本共産党堺市議会議員団から

市民からの陳情や要望を受け、以下3件の意見書(案)を提出しました。

・最低賃金の改善と中小企業支援策の拡充を求める意見書(案)
・「敵基地攻撃能力」保有の検討中止を求める意見書(案)
・痴漢被害への対策を求める意見書(案)

意見書の案文は以下の通りです。

最低賃金の改善と中小企業支援策の拡充を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 依然としてコロナウィルスによる感染の収束のめどはたたず、中小零細企業を中心に大きな打撃を受けている。また、景気の悪化で失業や労働時間削減に追い込まれているのが、最低賃金近傍で働くパートや派遣、契約など非正規雇用やフリーランスで働く労働者となっている。

 この難局を乗り越えるには、GDPの6割を占める国民の消費購買力を引き上げること、賃金の底上げを図ることが不可欠である。格差と貧困を縮小するためには、最低賃金大幅引き上げと地域間格差をなくすことがこれまで以上に重要になっている。

 2021年の地域別最低賃金改定は、最高の東京で時給1,041円、大阪府では992円、最も低い県では820円に過ぎない。毎日8時間働いても年収140万~180万円である。最低賃金法第9条3項の「労働者の健康で文化的な生活」を確保することはできない。さらに地域別であるがゆえに、大阪府と東京都では、同じ仕事でも時給で49円もの格差がある。若い労働者の都市部への流出が、地域の労働力不足を招き、地域経済の疲弊につながっている。自治体の税収が減少し、行政運営にも影響がでている。全労連の調査では、健康で文化的な生活をする上で必要な最低生計費に、地域による大きな格差は認められない。若者1人が自立して生活するうえで必要な最低生計費は全国どこでも月24万円(税込み)の収入が必要との結果である。

 世界各国の制度と比較すると、日本の最低賃金は、OECD諸国で最低水準であり、ほとんどの国で、全国一律制をとっている。そして、政府として大胆な財政出動を行い、公正取引ルールを整備するなど具体的な中小企業支援策を確実に実施し、最低賃金の引き上げを支えている。日本でも、中小企業への具体的で十分な使いやすい支援策を拡充する必要がある。

 労働者の生活と労働力の質、消費購買力を確保しつつ、地域経済と中小企業を支える循環型地域経済の確立によって、誰もが安心して暮らせる社会を実現すべきである。
そのために、最低賃金の抜本的な引き上げと全国一律制にしていくことを要望する。

 以上の趣旨より、下記の項目の早期実現を政府に求める。

1. 政府は、労働者の生活を支えるため、最低賃金1500円以上をめざすこと。
2. 政府は、最低賃金法を全国一律最低賃金制度に改正すること。
3. 政府は、最低賃金の引き上げができ、経営が継続できるように、中小企業への支援策を最大限拡充し、国民の生命とくらしを守ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 2022年 月 日

堺 市 議 会

「敵基地攻撃能力」保有の検討中止を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 岸田首相は、歴代政権で初めて施政方針演説で「敵基地攻撃能力保有」の検討を表明した。安倍元首相は昨年11月の講演で、敵基地攻撃能力とは、「相手を殲滅するような攻撃力」であると述べたが、これについても否定をしなかった。こうした攻撃の検討は、現在の憲法も現実も国際法も無視した、極めて危険な暴論である。政府としても憲法の立場を踏み越えるため、今までは躊躇してきたものである。敵と見込まれる外国の基地に対して、相手にいきなり攻撃を仕掛けることは、国際法でいう先制攻撃となり、同法違反であることは明白である。その上国際紛争を解決するために武力の行使を放棄し、国の交戦権を認めないとした日本国憲法にも反する。

 仮にこうした判断のもとに「敵基地」を攻撃した場合、当面の相手国と想定される国への攻撃だけでは終わらず、反撃を含めた双方の被害は、想像もできないほどに甚大で悲惨なものとなる。

 以上のことから、政府はこうした破滅的ともいえる手段に頼ることなく、我が国独自の憲法9 条を生かした、外交努力によって、平和的解決に徹するべきであり、本市議会は、「敵基地攻撃能力」保有についての検討は、中止することを求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。

 2022年 月 日

堺 市 議 会

痴漢被害への対策を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 痴漢は最も身近な性暴力の1つであり、性犯罪である。これまで痴漢は「ささいな問題」、あるいは「女性が注意すれば済むこと」とされ、多くの被害者が泣き寝入りをさせられてきた。

 2019年1月21日に「#WeToo Japan」が発表した、10代~40代を対象にした調査結果によると、電車や道路などの公共空間で女性の7割が「体を触られる」「体を押し付けられる」などの被害に遭っていた。また、同調査によると、電車内における過去1年間の痴漢被害経験率は10代が最多である。痴漢は「子ども・未成年への性暴力」でもある。

 被害の後、「電車に乗ろうとすると過呼吸になり仕事を辞めた」「頻繁なフラッシュバックに苦しみ続けている」など、被害者はその後の人生に深刻な打撃を被っており、多くの場合は被害を訴えることもできないでいる。政治がこれを正面から問うてこなかったことが、痴漢を「軽い問題」扱いし、女性の尊厳を軽んじる社会的風潮を広げてきた。

 よって、政府においては、下記の対策を実施するよう、強く要望する。

1. 痴漢被害の実態を調査すること。
2. 性暴力ワンストップ支援センターの増設を行うなど相談窓口を充実し、広く知らせること。
3. 痴漢加害根絶のための啓発や加害者更生を推進すること。そのために内閣府に担当部局を設け、警察庁や民間事業者と共に連携しながら政府をあげて取り組むこと。
4. 公教育に人権・ジェンダー視点に立った包括的性教育を位置づけ、性犯罪についても充実した教育を行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 2022年 月 日

堺 市 議 会