8・9月議会が開催 「子どもの貧困」への具体的対策

110929_0724~01暑い夏が過ぎ、秋の気配が漂ってきました。
今年は、記録的な猛暑。くりかえし台風に襲われた東日本・北海道。本当に大変でした。台風被害にあわれた東北・北海道の皆様には、まずお見舞い申し上げます。また命を失くされた方々のご冥福をお祈りいたします。このような被害は、自然災害によるものですが、毎年繰り返されています。対策はなかったのだろうか。9人の死亡者を出した高齢者施設がありました。夜間の職員配置の改善はされていなかった。国の施策の拡充が必要です。国民の命と暮らしを大切にする政治が必要です。

8・9月議会が開催されました。

昨年度の決算審査と今年度の補正予算が提案されました。
決算は、今年も一般会計・特別会計・企業会計すべて黒字です。さらに国の地方財政健全法の指標にてらして、20政令指定都市のトップクラスということです。
これはこれで結構なことです。しかし、要は、市民の命、暮らし、子育て、教育施策がどのように拡充されたのか、税金が有効に活用されたかが、問われなければなりません。
残念ながら、満足にはほど遠いと言わねばなりません。
本議会で調査し、質問した問題についてご報告いたします。

「子どもの貧困」への具体的対策が今、堺市に強く求められている!

「子どもの食堂」のモデル実施、多子世帯支援として、第3子以下の0~2歳までの保育料の無償化が所得制限なし、上の子の年齢制限なしで実施されました。約600人の利用があるとお聞きしました。
また、こどもの「生活実態調査」が行われています。その結果にもとづいて更なる対策が提案される予定です。

<学校教育の拡充は、貧困の連鎖を断ち切るもの>

来年4月には、大阪府から堺市に対し権限移譲が行われます。教職員の給与負担の権限です。これによって学級編成基準が独自に決められるのです。この権限は、政令指定都市であるからこそのものです。これを活用すれば少人数学級の実施拡大は可能です。私は、これまで繰り返し小学校3年生への実施拡大を求めてきました。現在国は、小学校1年生と2年生のみ35人以下を認めています。3年生は40人です。そのため、3年生になると同時に、学級定数が大きく増えるのです。次の例をご覧ください

(例)2年生児童80人の場合
2年生の時:3クラス(27人・27人・26人)です。
3年生になれば:2クラス(40人・40人)です。

また、特別支援学級在席児童がいれば、これに加えられますから、3年生のクラスは、40人を超えることになります。2人であれば41人クラスが2つ。3人であれば42人と41人です。

160814_15413年生は、発達の節目です。心も体も大きく成長します。学習も割り算や分数、社会科や理科も始まるのです。この時期こそ、より丁寧な教育、指導が必要です。
だから3年生以上への少人数学級の実施拡大を強く求めたのです。
初めて、当局は、権限移譲に向けて行ってきた検討内容を次のように述べました。
「小学校3年生以上での少人数学級編成につきましては、権限移譲後も国からの教職員配置はありません。支援学級在席児童を含めた児童数や学習のあり方については、これまでもいろいろとご指摘を受けているところであり、児童生徒の状況や学校の実態を踏まえた人的配置のあり方について、引き続き検討しているところでございます。
権限移譲に向けては、すべての堺っ子が尊重され、ゆめに挑戦できる教育が実現できるよう、教職員配置計画をすすめてまいります。」

160814_1545つまり、「小学校3年生以上に少人数学級を実施すれば、お金は国から出ないから堺市の持ち出しとなる。おいそれとできない。もう少し考えさせて・・」という事なのです。
私は、今度の答弁は、これまでに比べ、私が指摘してきたことにもふれていただいたし、「すべての堺っ子が尊重され、ゆめに挑戦できる教育が実現できるよう、教職員配置計画をすすめてまいります。」とも言われました。非常に希望のもてる答弁であったと思っています。少人数学級の実施拡大実現に向けさらにがんばります。

<中学校給食の実施について>
中学校給食が選択性で実施されます。9月・10月に試行、11月1日から本格実施です。中学生にはすでに受付を開始しているとのことでした。利用見込みは、20%とのことです。
私は、さらに保護者負担について質しました。京都市は、「生活保護受給と就学援助受給」については、公費負担をしています。しかし堺市は、まだ「できない」という答えしかありません、せめて検討はすべきです。
また給食代金の申し込みについてですが、20食分(6600円)90食分(29800円)のまとまりで行います。前払いでないと給食を利用できません。申込みは、マークシートでの申し込みは学校ですが、それ以外の申し込みは、学校ではなくコンビニやパソコンでという事になります。
これは、学校教育の一環としてある給食としては、いかがなものかと思います。そこで
京都市(政令市、選択制中学校給食実施)の状況を見ました。
京都市と堺市は大きな違いがありました。主なものをあげると

(1) 申込み方法は、学校から毎月申込書と献立表が配られ、学校へ申込みます。
(2) 保護者負担は、1食分310円。要保護世帯・準要保護世帯は公費負担。
(3) 京都市の全中学校の実施状況です。(堺市は全市43校選択制で一斉実施)
選択制実施      66校
施設一体型小中一貫校 5校は全員給食制(これに注目)
ミルク給食      1校
未実施        1校   計73校

実は、堺市にも施設一体型小中一貫校が2校あります。おおいずみ学園とさつき野学園です。この2校は小中あわせて300人の規模です。おおいずみ学園の中学生は、85人。さつき野学園は101人。小学校の調理室で、十分調理できると思います。かねてからこの2校については、全員喫食の給食をすべきと主張してきました。しかし堺市は、「公平でない」とこれを否定しています。私は、同じ学校内で中学生だけ選択制という方がよほど不公平だと思うのです。
私は、選択制の中学給食は、果たして継続するだろうかと疑問をもっています。
「京都市は定着している。」とお聞きしたので調べてみると、それなりの理由がありました。
京都市は、実情に合わせて実施されている。そこに堺市との違いがあると思いました。

<就学援助の認定基準は引き上げるべき>
子どもの貧困対策としても、就学援助などの現金給付の施策は大切です。

「就学援助とは、経済的理由により就学困難な児童又は生徒の保護者に対して、市町村は必要な援助を与えなければならない。」との学校教育法の趣旨に基づき、援助を受けることができる対象者、並びに、学用品費や給食費等の必要な援助項目及び支給額を定め、市町村が自ら行う事業である。」とされています。

文科省は、はじめて、都道府県だけでなく市町村の就学援助の実施状況(H25)を調査し結果を公表しました。実施状況には、大きな差がありました。
大阪府の援助率は、25.21%。堺市は20・41%。全国の援助率は、15・42%です。
堺市は大阪府内よりも、経済的援助を必要とする人が少ないのか。そうではありません。

文科省は、この差をつくる原因として、主に次の3点を挙げています。

1: 所得や経済的状況の違い。これについては、言うまでもありません。
2: 周知の方法

堺市は小中学校の児童生徒のすべてに説明と申込みの用紙を配布し、新1年生には、入学・就学通知で制度の案内をおこなっています。また、市の広報やHPにも載せています。
しかし、全国的にみれば、書類を全児童生徒に配布している自治体は、66.6%。HP掲載は58,8%で、十分に行われていない実態もありました。
堺市の周知は徹底しています。にもかかわらず援助率は大阪府より低いのです。

3: 認定基準

基準の設定も様々であり、複数の基準を設けているところもあります。堺市は「前年度4月1日の生活保護法による保護基準額の1.0倍としています。
これが、自治体によって変わります。

TS2C0227
(生活保護基準をもとにした認定基準)
1.0~1.1倍以下   181自治体 (16%)*堺市はここ
1.2倍以下       215 (19%)
1.3倍以下       562 (50%)
1.4倍以下       23  (2%)
1.5倍以下       132 (12%)
1.5倍超え       13  (1%)
その他          4   (0.4%)
             計 1、130自治体

ご覧のように、堺市の生保基準1.0倍は、最低であります。全国的にみて84%以上が堺市を上回っています。これが、下記のような差を生んでいます。

(東大阪市と堺市の認定基準額の比較)
       堺市       東大阪市     差額
2人世帯   183万円以下  214万円以下  31万円
3人     238万円以下  247万円以下  9万円
4人     263万円以下  280万円以下  17万円
5人     303万円以下  313万円以下  10万円

東大阪市民であれば、2人世帯183万円を超えて214万円以下所得であっても、就学援助を受けることができたという事です。

(援助率を府内比較)
40%未満 門真市
35%未満 大阪市、岸和田市、守口市、八尾市、摂津市、東大阪市
30%未満 柏原市、富田林市、寝屋川市、松原市、大東市
25%未満 堺市、豊中市、吹田市、貝塚市、枚方市、和泉市、羽曳野市、高石市、藤井寺市、泉南市、四条畷市、忠岡町、高槻市
20%未満 泉大津市、茨木市、泉佐野市、島本町、熊取町、田尻町、
大阪狭山市、交野市、岬町、太子町
15%未満 池田市、河内長野市、箕面市、阪南市、河南町、千早赤坂村
10%未満 豊能町、能勢町

「貧困の連鎖」を断ち切り、すべての子どもたちが、安心して教育を受けることができるよう就学援助制度はおおいに活用されなければなりません。文科省の調査結果からも明らかなように、すべての児童生徒に情報を提供する、手続きを簡素化し、認定基準を引き上げることが必要です。援助の適用を拡大することが必要です。選択制中学校給食や、メガネや制服代金など今後は、堺市でも是非適用拡大を検討し、実現したいものです。

それに加え、何といっても国の教育施策です。少人数学級の実施、学校給食の無償化、就学援助や給付型の奨学金など国の責任でやるべきではないでしょうか。
OECD加盟国の中で、教育予算の公費負担比率はGDP比で世界最低です。
政治を変え、より良い教育を是非実現したいものです。
がんばりましょう!

カテゴリー: 私の部屋 パーマリンク