こんにちは!石本京子です。

2013年3月

120325_01 一気に春かと思いきや、今日は、なんとも寒いこと!
今日は3月11日。東日本大震災からまる2年がたちました。
全国に32万人もの方が、避難生活を余儀なくされています。そのうち15万人が福島の方です。原発さえなかったら、もっと復興支援もすすんだことでしょう。昨日東京では、4万人が国会を取り囲んだ。大阪では、降りしきる雨風の中、1万1千人が中の島につどい、「原発なくせ!再稼働反対!」とデモ行進しました。国内だけでなく、フランス、ドイツ、台湾でも「原発なくせ」の集会が持たれたようです。台湾では10万人です!
いったん事故を起こせば人間の力ではどうすることもできない。原発は本当に危険極まりないものです。福島原発の放射能汚染水が27万トン。1000tタンクが林立!1000tタンクは、2日半でいっぱいになるとか。一体どうすればいいのでしょう。世界中の英知を尽くさなければなりません。再稼働など誰が考えても、とんでもないことではないでしょうか。
また、福島原発では、毎日3000人もの方が、作業しているということです。
労働条件は適正なものでしょうか。健康管理はされているのでしょうか。
不安のタネは、つきません。
原発は、子どもたちのために、絶対残してはならない。
思いを新たにした3月11日です。
冷たい風に思わず首をすくめたけれど、満開の紅梅が、目に入りました。

「労働契約法の改定」について

昨年、労働契約法が改定されました。
総務省は、3月1日労働力調査の結果を発表しました。これによると雇用期間を限定される有期雇用労働者は、1410万人にも上るとのことです。今度の労働契約の改定は、雇用期間を限定された契約をくりかえす不安定な働き方を改善するためのものです。3つのルールが示されました。
(1) 無期労働契約への転換
有期雇用が更新されて、5年を超えると、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換できる。
ダイキンでは「2年10カ月」の契約で、200人もが「雇止め」となりました。不当な首切りに対し撤回を求めて裁判が行われています。原告の一人であるAさんは、更新を重ねて18年間ダイキンで働いてきたということです。
ダイキンの「雇止め」の不当性が証明されました。
(2)「雇止め法理」の法定化
最高裁判例で確立した「雇止め法理」が、そのままの内容で法律に規定されました。一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルールです。
(3) 不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。
今日のように、貧困と格差が社会に広がった一番の原因は、非正規雇用の拡大です。誰もが安心して働き、生活するためには正社員が当たり前にならなければなりません。
日本国憲法・労働基準法にのっとった働き方のルール確立を目指してがんばりましょう。
堺市の非正規職員の比率は36%以上です。1年~3年の任期付き短時間勤務職員の採用も行っています。しかし公務員は、労働契約法の適用除外です。
今回の労働契約法改正については「影響なし」とのことでした。
公務員は、「任期付き職員の採用についての法律(H14制定)」に基づいて行われていますが、「高度の専門的な知識・経験を有する者」「こうした業務に当たる適任者が部内にいない」「知識経験を必要とする期間が限られている」などが採用の要件となっています。しかし、社会福祉(ケースワーカー)では、60人を3年任期で採用しています。高齢者対策ということでしたが、高齢者の増加は、3年の期間限定でしょうか。違うと思います。また、図書館司書や保育士も同様です。人件費の抑制こそが目的ではないかと思います。
「任期付き短時間勤務」は不安定で低賃金の働き方です。労働契約法改正の趣旨である「安定した雇用の補償」を考慮し、正規職員を増やすことが必要です。なにより市民サービスの向上が期待できるというものです。

120325_02「公契約の適正化」について

今回の予算書に、庁舎管理費の中に「警備、清掃、設備運転監視等管理委託」の費用がありました。そのうち清掃業務について質問しました。清掃の落札価格は2900万円余りです。仕様書をみせてもらいました。
作業項目は、多岐にわたっています。床だけでも材質によって、使う道具から、掃除の仕方まで事細かに、何ページにもわたって書かれています。日常清掃とか定期的に行うもの、中間的に行うものなどがあります。日常的に清掃する床面積は、1万9371.7平方メートルです。
床のほかには、壁や置物などもあります。しかし、働く人は13人。時間帯は、4つに分けられています。7時間勤務が2区分。4時間勤務が2区分ありました。清掃で使う器具や道具はすべて受託者もち、トイレットペーパーや雨の日の傘袋も受託者もちです。13人の賃金はいったいいくらになるのでしょうか。最低賃金は守られているのでしょうか。当局の答弁は、「契約書には、労働基準法等の法令を順守としているので、守られている」との認識です。清掃業務には高層庁舎の窓ふきもあります。ゴンドラをつかっての作業です。
ところが、「その他の注意事項」と言う項目には「作業中、受託者の不注意その他の原因により、作業員が死傷してもその責任は、一切受託者に帰するものとする」という一文がありました。
2年前に西原公園で、剪定作業をしていた造園業者が、高所作業車の転倒事故で死亡した事件を覚えていらっしゃるでしょうか。私は当局に「死亡された方の補償」について聞きました。すると「わからない」という答えだったのです。堺市が発注した仕事に従事させていながら、事故の補償や賠償に責任がないなどと言えるものでしょうか。「業務委託とはそういうもの」だそうです。
国や自治体の発注する物品や仕事や業務委託は、公契約です。
昔から公契約にまつわる問題といえば、利権に群がる不正、談合や汚職でした。今は、競争入札による「低価格競争」やダンピングの横行です。
120325_03 長引く不況の今日、なんとか仕事がしたいという中小の事業者の仕事づくりとして公契約の役割は大きいと思います。
こうした公契約は、堺市だけの問題ではなく、日本全国だけでなく世界中で行われている問題です。
公契約が公正、適正に行われるよう日本各地で公契約条例が制定されています。
こうした条例の第1の目的は、仕事に従事する労働者の賃金などの労働条件の補償です。
ILOは、1949年に「公契約における労働条項に関する条約(第94号)」を採択しています。現在59カ国が批准しています。しかし、日本はしていません。理由は、労働基準法などの法整備がある。個々の労使間に立ち入るべきでない。公契約だけが保護されるべきでない。ということです。余りにも現実とかい離しているのではないでしょうか。
公契約の実態についてさらに調査研究し、堺市でも公契約条例の制定をぜひ実現したいと思います。
この春、学校を巣立つみなさん、
ご卒業おめでとうございます。
みなさんの未来に幸多きことを心からお祈りいたします。

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