3月8日(金) 予算委 岡井議員が討論

3月8日(金) 堺市議会で予算審査特別委員会で各会派の総括質疑が行われました。総括質疑終了後、2019年度の予算案並び関連議案について、採決されました。

採決に際して、日本共産党堺市議会議員団を代表して、岡井 勤議員が行いました討論の要旨は以下の通りです。

予算委 岡井議員 討論

 日本共産党を代表して、2019年度当初予算案並びに 関連議案についての意見を申し述べます。

 市長は、政令指定都市としての権限と財源を活かしながら、「子育てのまち・堺」「歴史文化のまち・堺」「匠の技が生きるまち・堺」という3つの挑戦に加え、「市民が安心、元気なまちづくり」と「都市内分権の推進」に重点的に取り組できたと表明されました。また、自然災害が相次ぐなか「安全で安心して暮らせることこそ、市民のみなさまの第一の望みであり、地方自治体の最大の責務であると考える」と述べておられます。 そして、2019年度(平成31年度)においては、引き続きこれらのことを基本に据え予算編成を行ってきたことを表明されています。

 さて、歳入面を見ますと、個人市民税が増えているとともに、法人納税数が2013年度から2017年度にかけて1,088社増加し、法人市民税も11億円の増収となっています。「企業立地促進条例」から「ものづくり投資促進条例」となり、市内の中小業者にも適用されるようになって、一連の「ものづくり支援策」が効果を発揮していることが伺えます。

 歳出面では、扶助費が増加傾向にあるとしていますが、これは市民生活に求められる施策を進めていることの結果だとも言えます。

 また市債は、原池公園の整備や大浜体育館の建て替え整備などの関係で増加しているとしています。 振り返れば、市民会館を再開発事業の中に組み込む方式から、現地建て替えに切り替えることによって建設費を140億円余りも抑えることができたわけですが、現地建て替えでなかったら、原池公園や大浜体育館の整備は進めにくかったかも知れません。 今後も、大型開発に組することなく、市民の暮らしを守り、着実に市政運営をされていくことが重要であるということを申し上げ、以下、本予算案について各項目ごとに意見を述べます。

 まず保育施策では、子育て世帯の負担軽減について認定こども園や保育所、幼稚園などの保育料無償化を第2子の4歳児に拡充。10月からは、認定こども園や保育所、幼稚園などを利用する3〜5歳のすべての子ども及び、市民税非課税世帯の0〜2歳の子どもの保育料を無償化。さらに、認可外保育施設などの利用者負担について、保育を必要とする3〜5歳のすべての子ども及び市民税非課税世帯の0〜2歳の子どもの保育料を無償化するとしています。 しかし、いっぽうで給食費については、2号認定の年収360万円以上の世帯から副食費を実費徴収するとしています。「保育の無償化」というならば、1号認定も2号認定も主食、副食費ともに無償にすべきであること、また、公立の認定こども園に対し無償化のための予算措置を特別財源で行なうよう国に強く要望することを求めておきます。

 待機児童の解消についてですが、認定こども園等を2018〜2020年度において、創設16ヶ所、増改築1ヶ所、分園3ヶ所、大規模修繕3ヶ所などを整備するとしています。 また、小規模保育については特区を活用し、3歳以上の園児を受け入れる事業所10ヶ所に開設経費を補助、私立幼稚園においては保育を必要とする満2歳児の受け入れに要する経費を3ヶ所に補助するとしています。

 これらの事業によって、ざっと2,300人ほどの入所枠を拡大する事になりますが、市長は本年度を入れた4年間で、3,600人の入所枠を拡大すると表明していますので2020年度と2021年度で約1,300人分の入所枠を整備する必要があります。

 なお、昨年4月1日時点の未利用児童数が767人で、10月1日時点の未利用児童数が1,519人、そしてその後も増えています。保育料の無償化が進むなか、さらに入所希望が増えると予測され、特に北区では未利用児童数が0〜2歳児で突出して多く中区では3歳〜5歳児で突出して多い状況です。今後も、入所希望が増える可能性のある地域に特に注目しつつ、保育施設を効果的に整備していくことが求められます。

 3,600人の入所枠拡大が待機児童解消につながるのかどうか、その推移に注視しつつ公有地の提供も積極的に行ないながら、整備を推進されるよう求めておきます。

 保育士の処遇改善については、「キャリアアップ研修」「宿舎借り上げの助成」「休暇取得促進支援」などを実施しており、さらに「保育士総合支援事業」として月1万円の修学支援や20万円の就職支援、 また潜在保育士に対する就職準備金として貸付上限額を40万円に拡充するとしています。 これらは、保育士確保において一定の効果があると思われますが、処遇を抜本的に改善するものとは言えません。まずは処遇を改善してこそ、これらの施策も生きてくるのではないでしょうか。ちなみに、千葉県松戸市が正規職員として働く保育士に対し、勤務年数に応じ月額45,000円から72,000円の範囲で市独自に手当を支給しています。抜本的な保育士の処遇改善については、第一義的には国が行なうべきではありますが、松戸市をはじめとする全国の先進事例にならって、本市においても保育士の給与を抜本的に引き上げるよう強く求めておきます。

 次に、子ども医療費助成制度についてですが、その対象年齢を18歳まで拡大するとしており、評価したいと思います。今後は、完全無償化へ、さらに前進させていただくよう求めておきます。

 また、新生児の聴覚スクリーニング検査について、上限があるものの公費負担が実施されます。聴覚に障害があると、乳幼児期の発達・発育に大きな影響を及ぼしますが、早期に発見できれば、早い段階で適切な対応を図ることができます。

 今後は、公費負担の上限を廃止するよう求めておきます。

 次に市立幼稚園での預かり保育モデル事業についてです。この間、わが会派が要望してきた市立幼稚園での「3歳児からの受け入れ」 と「預かり保育の本格実施」に 対し、市教委は「検討を開始している」と述べられました。 しかし、この度の予算には3歳児から受け入れるための予算は計上されていません。

 預かり保育モデル事業は、開始されてから7年も経過しています。 2017年度(平成29年度)の実績は、3園の利用者数の合計が延べ4,888人で、1園あたりの1日平均利用者数は8.3人、2019年(平成31年)1月末が3,784人、1園あたりの1日平均利用者数は7.4人であり、ニーズは確実にあります! 早期に本格実施されるよう求めておきます。

 次に、中学校給食についてです。 利用率の状況は2016年度(平成28年度)、2017年度(平成29年度)ともに7.6%で、本年度2月分の利用率は7.7%と、ほぼ横ばい状態であり、目標の20%に届いていません。 国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部長の阿部彩さんの著書「子どもの貧困」は、多くの読者の意識ばかりか、国会までも動かし「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の法制化を促す力になりました。

 阿部彩さんは、子どもの貧困に立ち向かう試みとして、子ども食堂の試みも尊いが本丸は「給食」、特に普及率が小学校よりも低い中学校給食にあると、強く主張されています。 市教委は、施設一体型の大泉学園とさつき野学園において「調理自体は施設・整備ともに可能」と答弁されました。それならば、親子方式で全員喫食をモデル実施し、さらに全員喫食へとつなげていくよう強く求めておきます。

 次に、学校教育についてですが、小学校3年生から6年生に38人学級が実施されたことにより、本市が目指す「総合的な学力」、すなわちテストの点数だけでは計り知れない「意欲や関心に基づく、自ら学ぶ力」を高めたと言えます。これは評価したいと思います。

 なお、学校図書館の拡充、とりわけ学校図書館法に基づく司書配置が重要です。中学校だけでなく、小学校図書館への司書配置の拡充を計画を持って取り組むことを強く求めておきます。

 また、教職員の働き方では長時間勤務の解消が必要です。法に基づく定数の確保は正規教職員の配置によって確保すること、あわせて中学校の部活については、外部指導者の活用なども積極的に行ないつつ、さらに改善されるよう求めておきます。

 なお、災害時に避難所としても利用される体育館へのエアコン設置を急ぐよう求めておきます。

 次に、障害者のロング・ショートステイについて、ここ3年の推移は2016年7月時点で18人、2017年7月時点で21人、2018年7月時点で14人となっています。

 この14人の滞在期間は、1年以下が3人、2年以下が3人、3年以下が1人、4
年以下が4人、6年以下が1人、7年以下が2人となっており、あまりに長すぎるロング・ロング・ロングステイの状態が続いています。 とりわけ、強度行動障害の方たちがこの状態に置かれていますが、重度の障害者がゆったりと生活できる場を早期に整備するよう強く求めておきます。

 次に、がん検診についてですが、市は昨年4月より検診を無償化するとともに、身近な医療機関で受診できる体制を整えることや、個別に受診勧奨ハガキを送付するなどの取り組みを強化してきました。このようななか、特に昨年10月以来、受診者数が増えています。昨年4月〜12月までの受診者数が70,751人に対し、今年4月から12月までの受診者数が80,955人。差し引き10,204人増えている事は歓迎すべきことです。 特定検診も無償化されていますので、同様に受診者数が増加していることを期待するものです。 またこの度、成人歯科検診として71〜74歳の方の検診も無償化されますが、医療費の増減は国保料にも影響しますので、引き続き受診者数が増加するよう、取り組みを強めていただくことを求めておきます。

 次に、堺市立みはら博物館条例の一部を改正する条例についてですが、博物館法で定義された博物館は『専門職員として学芸員を置くこと』となっています。

 みはら博物館は、これまで直営で運営されてきましたが、博物館法に定められた博物館ではないとして、ホールやギャラリーなどに指定管理者制度を導入するとしています。 みはら博物館には、5世紀中頃に築造された前方後円墳である全長114mの黒姫山古墳から出土した鉄製甲冑類や埴輪などの貴重な史料が展示されています。百舌鳥古墳群を世界遺産に登録しようとする時に、このような博物館に指定管理者制度を導入するのは、どうなんでしょうか。これまで通り、市直営で博物館としての機能を充実していただくよう求めておきます。

 次に、(仮称)百舌鳥古墳群ガイダンス施設の整備についてですが、築造後1,600年の時を経て、初めて緑に覆われた古墳の姿を見た国内外の来訪者からは、「ただの林だけで何も見えず歴史を感じなかった」「もっと詳しく知りたい」などといった感想が寄せられています。

 したがって、ガイダンス施設は初めて訪れた方や子どもにも解りやすく、理解しやすい展示にすることが重要です。 なお、古墳群築造当時から現在に至るまでの変遷を、プロゼクションマップによって伝えるとしていますが、百舌鳥古墳群の概要や歴史を視覚的に伝え、理解しやすいよう工夫していただくことを求めておきます。

 次に、阪堺電気軌道についてですが、堺市が支援してきたことや、「あべのハルカス」など、沿線の開発整備がすすんだ効果もあり、乗客が増え、堺市内区間廃止という当初の危機は乗り越えたと言えます。
百舌鳥古墳群の世界遺産登録に向けた取り組みがすすめられていることや、フェニーチェ堺が今秋のオープンを控えていますが、これら、歴史・文化・観光などを一体的に連携してすすめることで、沿線の賑わいを創出し、阪堺電車の活性化へつなげていくことになりますから、鋭意取り組んでいただくよう求めておきます。

 次に、「堺市自転車利用環境計画〈追補版〉重点アクションプラン(案)」についてです。同計画案では、阪神高速道路大和川線と高規格堤防事業によってその上部に敷地が出来ることにより、その敷地を活かして広域サイクルルートである泉州サイクルルートと南河内サイクルラインをつなげ、関西圏における一大サイクルルートを形成しようとするもので、「自転車のまち」を掲げる本市に相応しい計画です。

 また、歩行者と自転車の分離を基本とする通行空間整備はもとより、府道大阪和泉泉南線西側の阪堺線大和川停留所に隣接する同敷地において、サイクルサポート機能の充実を図るとしています。 さらに、本エリアへのアクセスは、阪堺線大和川停留所からのアクセスを活かすよう、検討を進めていくとしています。 このサイクルポートが魅力あるエリアになれば、大阪市内からの阪堺電車の利用増も見込めます。

 したがって、女性や子どもも安心して利用でき、自転車を安心して保管できるスペースの完備が必要です。 自転車利用者のすそ野を拡大するという視点をしっかりと持ち、平日は一般的な自転車を利用している方でも、休日にはこのエリアに来て、あらゆる競技用自転車を楽しめる環境をつくっていただきますよう求めておきます。

 次に、フェニーチェ堺のグランドオープンについてですが、旧市民会館が、閉館されて約5年。フェニーチェ堺が、いよいよ10月1日にオープンします。

 これまで、市内において優れた音楽や芸術に触れる機会の少なかった子どもたちや市民が、クラシック、ジャズ、ポップス、オペラ、演劇など、多彩でレベルの高い音楽・芸術を堺市内で鑑賞できると期待されています。

 本市の文化施策を牽引する重要な役割を担う施設ですので、充実した催しを企画していただきますよう求めておきます。

 次に、「しんかなの住まいまちづくり基本方針案」についてですが、『地区の課題』の表示については、各校区ごとに課題や特徴を表示するよう求めておきます。

 また、府営住宅や供給公社、URの建替え、それに伴う余剰地の活用問題ですが、子育て世帯に歓迎される住宅の建設や、「子育て支援施設の整備」「高齢者支援施設の整備」「障害者支援施設の整備」などを踏まえた誰にでも優しい住まい・環境を形成していくに相応しい方針にしていただくよう求めておきます。

 あわせて、老朽化しつつある大規模な分譲団地(マンション)の再生においては、市として適切で効果的な支援を大胆に行なっていただきますよう求めておきます。

 教育環境の整備についてですが、特に新金岡校区では児童の増加状況に注視し、必要な教室数の確保に迅速に対応していただくよう求めておきます。

 文化施策についてですが、新金岡市民センターが老朽化し建替えの必要が生じています。新金岡地域住民の日々の文化活動やコミュニティの拠点として、また防災に関する知識・情報交流の拠点として、市民センターを蘇らせていく事が重要です。建替えについては、市民の声にしっかり耳を傾けて進めていただくよう求めておきます。なお、余剰地において、北区住民の文化活動の拠点となる、文化ホールを整備することも視野に入れていただくよう求めておきます。

 また、常磐浜寺線に北歩道橋、中央歩道橋、南歩道橋と3本の歩道橋が架かっていますが、SDGsの視点からして、歩道橋の使用はどうなんでしょうか? 東西交流を促進するために、平面移動を基本とした道路整備を検討していただくべきです。特に中央歩道橋下に横断歩道と信号機を設置し、東側の住民が地下鉄エレベーターを利用しやすくなるよう、早期の実施を求めておきます。

 また、北部地域整備事務所のアスベスト問題で、専門委員会が立ち上げられ多くの時間をかけて事故原因と事実経過、そしてアスベスト飛散による健康への影響、また煙突内のアスベスト除去工事の検証など、様々な検証作業が行なわれ、その報告書がまとめられました。 今後、老朽化した団地などの取り壊し作業が行われていきますが、この報告書がしっかり活かされ, 二度と同じ事が繰り返されることのないよう、強く要望しておきます。

 次に、農空間の保全・活用事業についてですが、市内には約640か所のため池があります。 ため池は、農業用水確保のための雨水の貯留機能と、多様な生態系を有する水辺空間が豊かな都市空間の形成を担うなど、多面的な機能を有しています。

 本市は、大規模災害に備え、決壊した際に下流への影響が大きいと予想される「ため池」を対象に、「ため池ハザードマップ」の作成を進めていますが、早期に全区域分の作成を完了していただくよう求めておきます。

 水辺空間については、「地域の憩いの場の創出」という視点から、「ため池環境改善整備事業」「親水コミュニティー活動支援事業」を推進しています。水辺に遊歩道や憩いの場があれば、高齢者や障がい者、子どもたちに、どんなに喜ばれることでしょう。 地域の誰もが、ゆとりややすらぎが感じられる安心安全な環境をめざし、「ため池の水辺環境の整備」を積極的に進めていただくよう求めておきます。

 次に、この4月から開始される「堺市パートナーシップ宣誓制度」についてです。
本市は、平成17年にトランスジェンダーの市民の方から、申請書等の「性別欄の記入が苦痛になっている」との声を受け、不必要な性別欄を廃止しました。 その後、も行政文書を全庁調査したところ、56件の不必要な性別欄が見つかり、これも廃止しました。また、職員研修や啓発活動、相談窓口の設置なども推進してきました。

 これらの取り組みを経て、この度「パートナーシップ宣誓制度」が開始されようとしていることは、おおいに評価したいと思います。

 しかしながら、「宣誓」することは当事者にとって大きなリスクを伴います。

 「LGBTは生産性がない」などの心無い差別発言があるなかで、カミングアウトすることは本人にとって、とても勇気のいることですから、宣誓書の受領数が思ったほど伸びない可能性もあります。

 当事者のデリケートな思いに心を寄せ、「何組のカップルが宣誓書を受領したか」などと、表面的な数で「宣誓制度」を評価することのないよう求めておきます。

 次に、市民サービスの向上のための出張所設置の問題です。 市内7か所の区役所に留めず、出張所や連絡所などの行政窓口を地域に整備することが必要です。ちなみに、堺市以外のすべての政令市に、出張所などが設置されています。

 他市の事例も参考にして、市民が15分程度の移動で利用できる、「行政窓口」の設置を検討していただくよう求めておきます。

 次に、災害被災者支援については、住家被害の98%を占める「一部損壊」への支援が必要です。 市民に保険加入などを啓発するだけではなく、公助としての支援対象に一部損壊を含めるよう、国や府に求めること、あわせて、市独自においても支援を実施するよう求めておきます。

 次に、上下水道料金のクレジット決済の導入について意見を申し上げます。

 昨日、上下水道料金のクレジット決済の導入についての質疑がありました。クレジット決済については、システム改修等にかかる費用が多額にのぼることや、その後も多額の経費が毎年必要になること、また銀行に支払う取り扱い手数料が、口座振替の支払い手数料と比べ約10倍になると言われています。これらが料金に上乗せされるか、事業者負担となります。クレジット決済は、口座への入金が必要なため、口座振替と比較して利便性は向上しません。すでにクレジット決済を導入している自治体の実績は、導入後5年の利用率が約10%程度であり、その大多数が口座振替を利用していた人だとのことです。クレジット決済でない市民には恩恵がなく、クレジット会社に支払う手数料を負担させられることになります。クレジット会社の利益を確保するために、上下水道事業者の財政負担が増加し、料金値上げやサービス低下の原因にもなりかねなません。

 よって、クレジット決済は導入しないよう強く求めておきます。

 最後に、議案第 3号 平成31年度堺市国民健康保険事業特別会計予算および議案第46号 堺市国民健康保険条例の一部を改正する条例について、日本共産党の意見を申し述べます

 本条例案は、大阪府内の国保料統一化に向けて、大阪府が保険料率を改定するにともない、堺市の国保料率を改定しようとするものです。

 府内の国保料統一化は本年度から始まっていますが、本年は基金から6億7千万円を繰り入れして 1人当たりの平均保険料を51円引き下げ、9年連続の引き下げを行ないました。いっぽう、来年度は市の国保基金から9億1千万円を繰り入れて、府の激変緩和後の基準額96,472円よりも5,707円引き下げ, 1人当たりの平均保険料を90,765円とするものの、3,833円引き上がることになります。

 なお、大阪府は6年間で統一化を達成しようとしており、2023年 (平成35年) が 6年目に当たりますが、3年後に見直すとしており、2020年 (平成32年) すなわち来年度が、その3年目に当たります。このようなスケジュールで、統一化に向け率先して足を踏み出しているのは全国でも大阪府だけです。

 この統一化スケジュールに対し、保険料の統一化を掲げる厚労相自身が「(統一化の)目標年次を示していないのは、さまざまな実態によって負担増にも関わる問題」「もっと市町村とコミュニケーションを取りながら考えていただく課題」と意見を述べています。 なお、大阪府も「今後、統一化への進み具合や被保険者への影響を見ながら、2021 (平成33年) 年度 以降の運営方針で統一的なものに進むのか、もう少し遅めにやらなければいけないのかといった状況になると思う」と、2020年の見直しを意識した意見を述べています。

 これまで堺市は、大阪府に対し「さらなる公費投入を求める」などの意見具申をしてきましたが、このような状況を踏まえつつ、統一完了の時期を延期するよう意見具申をさらに強め、来年度の保険料引き上げについては控えるべきです。

 そして、その先どうするかについては、2020年の見直し状況を見て判断しても遅くはないと考えます。 そもそも、堺市の国保基金は38億円ですから、あと8億円ほど取り崩して、合計約17億円を繰り入れすれば保険料を据え置くことができます。

 38億円の基金があるもとで、保険料を引き上げることは 市民の理解を得られるものではありません。高い保険料を頑張って支払っている市民に還元すべきです。

 ちなみに、あまりに高すぎる国保料を引き下げるために、全国知事会が1兆円の公費投入を行なうよう国に求めていますが、岩手県宮古市はこれの実現を待つことなく2019年度から18歳までのすべての子どもの均等割を無くすために、一般会計から繰り入れし「完全免除」するとしています。 これと同等、またはこれに準ずる取り組みは、旭川市、仙台市、相馬市、白河市、取手市、加賀市、一宮市、赤穂市、福山市など、全国25市に広がっています。

 ちなみに、これを堺市で実施するとすれば約6億円を繰り入れすればできます。
統一化に歩調をあわせることばかりを考えず、せめて基金から約17億円を取り崩して繰り入れし、保険料の引上げはしない、それぐらいのことは決断すべきと考えるものです。

 よって、予算審査特別委員会に付託されました、議案第3号 平成31年度国民健康保険事業特別会計予算 ならびに、議案第46号 堺市国民健康保険条例の一部を改正する条例については反対し、残余の、議案第1号 平成31年度堺市一般会計予算等については賛成することを表明し、日本共産党の意見とします。

カテゴリー: 市議会速報 パーマリンク