9月21日(金) 決算委 岡井議員が決算認定 賛成討論

9月21日(金) 堺市議会で決算審査特別委員会で各会派の総括質疑が行われました。総括質疑終了後、決算認定について、採決されました。

一般会計の決算認定は、維新を除く各会派の賛成で可決し、その他、決算審査特別委員会にかけられた議案は全会一致で可決され、9月28日(金)に開かれる最終本会議に上程されました。

採決に際して、日本共産党堺市議会議員団を代表して、岡井 勤議員が、決算認定についての賛成討論を行いました。討論の要旨は以下の通りです。

決算認定についての賛成討論

 2017年度堺市各会計決算について日本共産党を代表して意見を申し述べます。

 2017年度一般会計は、実質収支22億7千万円となり、1980年以降38年連続の黒字となったほか、各特別会計も実質収支が黒字、水道事業会計、下水道会計も資金剰余額が引き続き黒字となっています。

 また、自治体の収入に負債の返済額が占める割合を示す「実質公債比率」は0.1% 下がり、財政の健全性は昨年度に引き続き確保されています。

 こうした財政の健全性を確保しながら、2017年度においては中学校に続き、 全小学校の普通教室にエアコンの設置を完了させたこと、また少人数教育の実施、老朽化トイレの全面改修と洋便器への取りかえを実施されました。 さらに、多子世帯における保育料無償化の拡大や、前立腺がん検査の実施、国保料の8年連続引き下げなど、市民要求を着実に前進させてきたことは、大いに評価できるところです。

 引き続き、市民の暮らしにしっかりと光を当て、住民の福祉の増進という地方自治法に定める「地方公共団体」の役割を、しっかり果たしていくことが何よりも重要です。

 以上の視点から、以下各点にわたり、市政に対する評価、要望等を申し述べます。

 まず、災害への対応についてです。

 台風21号は、堺市にも甚大な被害をもたらしました。 1人が亡くなられ、負傷された方も多数にのぼりました。また、屋根瓦の飛散や壁の損壊、窓ガラスの破損や樹木の倒壊等々の被害が数多く発生しました。
市では、ブルーシートの無料配布や、倒壊した樹木の除去など不眠不休の働きで機敏に対応されました。家屋被害については、「自己判定方式」を取り、罹災証明書の発行や、がれき・災害ゴミの回収も迅速に取り組まれました。 全庁上げての職員のみなさまのご奮闘に、まず敬意を表します。

 しかしながら、そうした市の対応に対し「知らなかった。わからなかった」との市民の声が多数聞かれたのも事実です。SNSやホームページなどでは、まだまだ市民に情報は届かないということの現れではないでしょうか。「広報さかい」で 日常的に継続してお知らせすることと合わせ、非常の際にはテレビを活用するなどの手だてを取ることも必要だと思いますので、ぜひご検討ください。

 また、市内では長時間にわたり停電した地域もあり、市民生活が大きく影響を受けました。この原因と今後の対策について、関西電力から説明を求めるべきであるということも申し上げておきます。

 また、堺市では ハザードマップを作成していますが、今回の台風による市内の被害状況をあらためて調査・点検したうえで見直しが必要です。

 さらに、9月6日発生した北海道胆振地方中東部を震源とする地震では、液状化現象による被害も起きているわけですから、このような視点を踏まえ ハザードマップを見直されるよう求めておきます。

 次に、国の被災者生活再建支援制度では、住宅家屋の被害については、全壊や半壊には 一定の支援がありますが、最も被害件数が多い一部損壊は支援の対象とはなっていません。 一部損壊についても支援の対象とするよう国に働きかけるとともに、市として独自の支援を拡充すべきだと思います。

 また、災害に際しては、市民の安心安全のために、市職員が果たす役割は重要です。必要な知識や技術そして経験を備えた職員の育成を行わなければなりません。 実態を踏まえ、職員の増員を図ることともあわせ、検討されるよう求めておきます。

 なお、自治会活動は市民生活において大きな役割を果たしています。 小学生等の見守り活動、青パトによる防犯パトロールの運行、自主防災活動や 地域交流イベント、環境美化活動など多岐にわたります。しかし、課題もあります。

 活動の担い手となる方々の高齢化と自治会加入者の減少です。 堺市の自治会平均加入率は57%ですが、これらの課題をどう解決していくのかが喫緊の課題となっています。
行政として適切な支援が求められているということを申し上げておきます。

 次に、農業問題と食の自給率の向上についてです。

 台風21号は、市内農業にも大きな被害をもたらしました。 小松菜、ネギ、トマト、ホウレン草などを栽培するハウスのビニールが吹き飛ばされたり、ハウスそのものが 倒壊したりして、大きな被害が出ました。 若い世代の方をはじめ、営農者が引き続き安心して農業に取り組むことができるよう、必要な支援を早急に行って下さい。

 また、政府資料における自給率を見ると、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ、韓国、イギリスといった主要国の中で、日本は最下位の38%です。 生産農業所得も減り続けており、農業従事者も減少の一途を辿っています。

 いっぽうで、国民の大半は、高くても安心できる国内産の食料を求めています。外国からの輸入に頼らず、国の自給率を上げ、国民に安心安全な食料を提供することは 国の責務です。安心安全な食糧の提供と自給率を向上させるよう国に働きかけるとともに、市としても地産地消の取り組みを強化していただきたいと思います。

 次に、地球温暖化を進行させないための取り組みのうち、「生物多様性」の問題について申し上げます。

 堺市は、2030年度に温室効果ガス排出量27%削減する目標を掲げて、温暖化対策を推進しています。 堺市SDGs未来都市計画を示し、環境モデル都市として、またものづくりのまちとして、市民や事業者と共に環境と産業が調和し、ともに発展する先駆的な取り組みを推進する。さらに、自然災害に対する強靭性及び適応の能力を強化する取り組みを進めるとし、社会・経済・環境のうち環境分野について5つの目標を示しています。

 その中で、「生物多様性」の認知度をどう高めていくのか。 動植物の外来種への対策にどう取り組むのかについて言及しています。 セアカゴケグモのような外来種が棲みつき、出現が常態化しているものが少なくありません。 ウシガエルやアメリカザリガニなどが、メダカやトンボのヤゴなどを食べ荒らし、絶滅危惧種が 増加していることも問題になっています。

 また、農作物が、アライグマに荒らされるなどの被害も増加しています。 ペットとして飼われていたものが野に捨てられ、農作物に大きな被害をもたらし、自然体系を 壊すなどの問題が深刻化しています。 当局には、外来種に対する対策を強化されるよう申し上げておきます。

 次に、学校司書についてです。

 現在、中学校では非常勤職員として全中学校に学校司書を配置し、ようやく一人の学校司書が中学校2校を担当する体制へと前進しました。

 しかし、小学校への学校司書の配置については、正規の学校司書を7人配置しただけで、足りない部分は図書館サポーターの配置によって補っています。 任用職員制度の導入により、雇用形態が変わろうとしている状況にありますが、小学校への学校司書の配置については、中学校並みに拡充されるよう求めておきます。

 次に、小中学校図書館の蔵書冊数についてですが、文科省が示す学校図書館図書標準に照らし合わせると、蔵書冊数を満たしている学校は、小学校で30.1%、中学校で27.9%しかありません。 いっぽう、100%に達していないが、あともう少しで達成できるという学校が、小中学校ともに多数あるとのことですので、達成校を増やすために図書予算を増額していただくべきです。

 なお、情報が古くなった図書や汚れたり破損したりした本などは適宜、廃棄しているとのことです。新しい情報を児童生徒に提供するために、図書を更新する作業は重要ですので、今後とも鋭意進めていただくよう求めておきます。

 次に、市立図書館における現在の正規司書職員の配置についてです。

 過去の推移を見ますと、平成21年度は、全職員数106人のうち正規司書職員は69人で、約65%を占めていました。 ところが、平成26年度では、全職員数121人のうち正規司書職員は56人で 約46%に低下し、平成30年度では 全職員数124人のうち正規司書職員は52人で、約42%に低下しています。

 正規司書職員の配置が十分でないために、市民の問い合わせ窓口であるカウンターに「市民と向き合える司書が常におらないというのはどういうことか」との批判の声があがっています。 市教委は、レファレンスカウンターに常時、正規司書職員を配置しているとしていますが、館内の正規司書職員の割合が低いと、ずっと 同じ持ち場に居れる状況ではないために、どうしても対応が手薄になってしまいます。

 この指摘に対し当局は 「全てのスタッフが司書資格を有しているから大丈夫」と主張されました。 果してそうでしょうか? 短期間で移動する任期付き職員ではなく、熟練した知識を有する正規司書職員の配置割合を増やすよう求めておきます。

 次に、就学援助制度について申し上げます。

 教育基本法第4条3項には 「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない」 とあり、 学校教育法第19条には「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は 学齢生徒の保護者に対しては、市町村は必要な援助を与えなければならない」としています。

 予算の執行状況について確認すると、執行されていない分が「不用額 」として計上されていますが、本理念に則り 就学援助に該当しうる世帯については、全世帯をフォローし支給すべきです。

 また、横浜市では「遡り支給」を行なっています。  これは、年度当初に申請できなかった方が、例えば 12月に申請した場合であっても、申請事由が 該当していれば4月に遡って支給するとしています。なお、遡り支給の最終受付期限は2月末としています。 堺市でも、このような取り組みを行えば、就学援助の支給執行率をあげることにもなります。ぜひ、検討して頂きますよう求めておきます。

 次に、市税事務所における業務の効率化についてです。

 税の業務においては、もともと事務が集中する時期があります。 市税事務所が統合される前の平成29年では、30時間を超える時間外勤務は167人、そのうち100時間超えが15人もおられました。
以前から改善が求められていたにもかかわらず、今年は30時間超えが222人と55人も増加し、そのうち100時間超えが29人と14人も増加しています。

 当局自身が、働き方改革を掲げている中にあって、たとえ一定期間だけだとしても、時間外勤務が大幅に増えているのは見過ごせない問題です。 この状況を一刻も早く改善すべきということを指摘しておきます。

 次に、病児保育所について申し上げます。

 昨年4月から今年3月までの施設型の利用状況および今年4月から7月までの施設型と 訪問型の利用状況を見ると他区の施設型を利用しておられるのも、訪問型を利用しておられるのも、もっとも多いのが北区の方です。

 北区は子育て世帯が最も多く、保育園の待機児童もいちばん多いという状況が、病児保育所の利用状況にも現れていると言えます。 このような状況のもと、北区の病児保育所を利用する方から「 定員数を増やして欲しい」との強い要望があり、当局はこの5月14日より、北区の病児保育所ぐんぐんの定員を6人から12人に増員しました。

 これにより、他区の施設型を利用せざるを得なかった北区の方が、一定数北区のぐんぐんを利用できるようになったことは評価します。 しかし、施設型の病児保育所がない東区や美原区の方たちのぐんぐんへの利用も増えており、このため、相変わらず 他区の施設を利用せざるを得ない北区の方が一定数おられます。 訪問型を利用しておられる方も今年4月から7月までで延べ131人中、北区の方の利用が77人と、飛び抜けて多い状況です。

 もちろん、通勤などの利便性から他区の施設を利用している方も居られるでしょうし、訪問型の方が都合が良いということで訪問型を利用している方も居られると思います。

 また、いっぽうで東区の方の訪問型の利用はゼロです。これは比較的交通の利便性の良い北区をはじめ中区や南区にある施設型を利用できているため、ということかも知れません。いずれにせよ、東区か美原区に施設型が整備されれば、北区や中区や南区における利用は減り、その分、北区や中区や南区にお住まいの方たちが、その区の施設を利用する幅が広がるだろうと思います。

 市長は、今年度を含め 4年間で3,600人の 保育園の入所枠 を増やすと決意を述べられました。 そうしますと、病児保育所の利用ニーズは、北区を筆頭にますます増えるのではないでしょうか。 今後、それぞれの施設型で定員を増やすことは可能なんでしょうか?  こういうことを考え合わせれば、東区か美原区に施設型を整備することを検討せざるを得ないときが来ると思います。 いえ、すでに来ていると言っても過言ではないと思います。
平成27年3月に策定された 「子ども子育て支援事業計画」で、施設型の設置目標を5ヶ所としましたが、この目標の見直しを検討されるべきではないでしょうか。

 まずは、北区をはじめ各利用者の利用動向を調査し、施設型・訪問型ともに、どういう事情から、どういう利用の仕方をしておられるのか、その状況を把握すべきです。

 近い将来、病児保育所で大勢の待機児を生むことのないように状況を手のひらに乗せたうえで、先手を打って計画を立てる必要があると思います。 病児保育所を受託して頂ける病院を確保しなければならない課題もあると思いますが、中区のような医療機関との連携方式も念頭に置き、検討されるよう求めておきます。

 また、利用者の方から 「給食を提供してほしい」「土曜日も開室してほしい」「保育開始時間を繰り上げてほしい」といった声も上がっています。 条件的に簡単ではない側面もあるとは思いますが、引き続き医療機関ともよく話し合い、対応できるところから取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。

 最後に、下水道事業会計について申し上げます。

 下水道事業の経営改善により、下水道ビジョンを上回る純利益を確保できるとして、平成29年10月から基本使用料金を50円引き下げました。 これにより、20㎥使用時で、月額2,848円から54円下がりました。引き下げ額は僅かとは言え、市民の負担軽減につなげた努力は評価したいと思います。

 以上、申しあげましたように、先に向けて要望すべき事は多々あるものの、無駄な大型開発に手を染めることなく、子育て支援策をはじめ市民の暮らしを守る施策を前進させてきた事は、大いに評価できます。

 「経常収支比率」が上昇傾向にあるとはいえ、それは市民の暮らしを支え、安全安心と文化的施策の向上を目指してきたことの反映でもあると言えます。 いっぽうで、単年度収支が22億7千万円の黒字で 「実質公債費率」も「将来負担比率」も健全に推移していることとあわせて考えれば、今後は、本討論において要望していることや、保育士の処遇改善、障害者入所施設の拡充、中学校給食の全員喫食などにも積極的に臨んでいただくべきではないかと考えるものです。

 以上、本決算の認定に賛成の意を表明し、日本共産党の意見とします。

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