3月22日 予算委 森田議員が賛成討論

 3月22日(木)堺市議会予算審査特別委員会で、2017年度の堺市当初予算案並びに関連議案の採決が行われました。

予算案の採決にあたっての賛成討論については、
森田 こういち 議員
が行いました。

討論の要旨は以下の通りです。

 

日本共産党を代表し、2018年度(平成30年度)堺市当初予算案並びに関連議案について意見を申し述べます。

政府は、日本銀行と一体となって「大胆な金融緩和」「異次元の金融緩和」を掲げ、国債を増発しての「機動的な財政運営」、さらには規制緩和などによる「成長戦略」を、「3本の矢」にするといういわゆる「アベノミクス」を進めてきました。2015年(平成27年)にはこれに加え、GDP600兆円と希望出生率1.8、介護離職ゼロを「新3本の矢」の政策目標にし、さらに昨年12月には、「人づくり革命」と「生産性革命」を、「新しい政策パッケージ」として打ち出してきました。
しかしこれは、消費税の増税が影響し、消費の低迷が長引びくなど、成果が見えてこない「アベノミクス」に対する国民の目先を変えようと打ち出してきたというのが実態です。GDP 600兆円などの目標達成は遠く、「新しい政策パッケージ」も、消費税の再増税を前提にし、「生産性」を向上させた大企業に減税を実施するなど、大企業支援が中心の政策となっています。
そもそも「3本の矢」は、金融緩和や財政拡大により、円安や株高を推進すれば、大企業や大資産家のもうけが増え、回り回って国民の雇用や所得、消費も増えるという「トリクルダウン」(滴り落ち)の発想が根幹にあります。しかし、大企業は内部留保400兆円を超え、大資産家は株価の上昇で潤ういっぽう、国民の生活はいつまでたっても改善しないというのが現状です。
「トリクルダウン」の政策の失敗は明らかです。今、求められるのは、国民の暮らしをあたため、消費を拡大し、景気を上向かせることです。

このような背景のもと、竹山市長におかれましては、市長選挙後初の予算編成となる、2018年度(平成30年度)予算が示されました。市長公約などとも照らし合わせ、どのように評価すべきか、わが党の意見を申し述べさせて頂きます。

市長は、この間、堺浜に向けてのLRT整備や駅前再開発など大規模開発を中止されました。これを実施していたとしたら、堺市は大きな財政負担を背負うことになっていただろうと思われます。この中止が、市民の暮らしを守り、住民福祉を向上させるという地方自治本来の目的に向かって市政を運営する重要なポイントとなったと言えます。また、いっぽうで阪神高速大和川線事業は、本市に取って大きな財政負担となってきましたが、これも事業の収束に目処がつきつつあります。
わが党の代表質問において、財政局は「今年度から来年度にかけて市債残高がピークを迎えるものの、健全化判断比率は、なお健全な水準で維持できるものと考えている」と述べ、市長は「政令市トップクラスの財政の健全性を確保してきた」と、述べられました。
こういった財政状況が、わが党も含め、議会として長年にわたり求めてきた「市民会館の建替え」を、市長に決断させる重要なキッカケになったのではないかと思われます。
また一方、歳出においては「すべての事業を市民目線で点検し、見直し、経常的な経費も含め縮減を図っていく」として、「入るを量りて出ずるを制す」と述べられました。それはもちろん、重要な視点ですが、同時に、必要な施策は、必要な時に思い切って進めるという視点も必要ではないかということを申し添えておきます。
さて、市長選挙では「堺はひとつ」「堺をなくすな」「堺のことは堺できめる」「都構想No」との市民の強い意思が再び示されました。今後とも、この意思を市政運営の基本にしっかりと据え、取り組んでいかれることが重要と考えます。

そうした視点から以下、何点かに渡り意見を申し述べます。

まず、『子育て支援の充実・強化』についてですが、「保育料無償化を第2子に拡充」では、2018年度(平成30年度)は5歳児を対象とし、以降、順次年齢を拡大して平成33年度にはゼロ歳児まで拡大するとしています。 無償化は重要ですが、入所希望がさらに増えて、待機児童の解消は可能なのかとの懸念も出ています。 2021年度(平成33年度)までの期間においては、待機児童の解消と保育士の処遇改善も同時に取り組んでいただくことが特に重要です。
保育所の入所状況については、2月15日時点で、入所申し込み児童数が18,166人。 これに対し、入所決定児童数が17,385人であり、未利用児童数が781人とのことでした。つまり、昨年の572人から、さらに209人増えていることになります。 3月末に向け、入所調整が行われているところではありますが、最低でも209人以上の入所を決定できなければ、未利用児童数は平成29年度を上回ってしまうことになります。
待機児童・未利用児童が多い行政区ほど土地の確保が難しく、保育所整備が大変になっているため、公有地の提供も積極的に行うべきと求めてきましたが、今議会では、公園敷地内に保育所の整備を可能とする、公園条例の一部改正が提案されました。
各行政区の未利用児童数の推移にしっかり注意を払いつつ、公園以外の公有地の提供も積極的に行なうとともに、2020年(平成32年)4月開所予定の保育園整備の一部を前倒しして整備すべきです。この点について、前向きに取り組む姿勢を表明されましたが、鋭意、進めていただくよう求めておきます。
なお、保育士の処遇改善問題ですが、保育士が確保できなければ、保育所の整備、入所枠の拡大も、ままなりません。現在、横浜市、相模原市、静岡市、千葉市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市などの政令市をはじめ81市が独自の改善策を実施しています。こういった自治体の事例も参考にして、本市においても保育士の給料を底上げする策を講じられるよう強く求めておきます。

次に、障害児通所支援事業者育成事業についてですが、児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所などに対し、助言、指導を強化するとともに、職員研修を実施し質の向上を図ろうとするものです。障害児への療育の質を向上させ、より安心して安全に預けられる事業となるよう、しっかり取り組んで頂くことを求めておきます。
また、障害者日中一時支援事業については、当局より「本事業を法定化することや、特に就学前の児童の安全確保のため、配置する職員について保育士や看護士等の資格要件を規定すること、それに伴う必要な財源措置を講じる事などを、国に要望していくために、政令指定都市と東京都の障害福祉所管で構成する、毎年5月開催の『21 大都市心身障害者(児)福祉主幹課長会議』の議案として、本市から提案する準備をすすめている」との意思が表明されました。
配置要件、資格要件などの規定を定めることはもとより、きちっとした形で法定化されるよう、また子ども青少年局とも連携を強めて進められるよう求めておきます。
なお、厚生労働省において死亡事故の登録および事故の検証システムの構築、すなわちチャイルド・デス・レビューの導入が検討されているとのことですが、導入の有無にかかわらず、障害者日中一時支援事業におけるこの度の事故について、保育施策と同様に、市独自に事故分析・検証を進められるよう求めておきます。

次に、堺市重度障害者対応型共同生活援助事業運営補助についてですが、重度の障害者が暮らすグループホームにおける、生活支援員の増員にかかる経費の補助を強度行動障害者に拡充されることになります。 また、グループホームにおける重度重複障害者に対する支援員及び、看護師の配置についても補助要件が拡充されます。これらは現場から強く要望されていたことであり、評価したいと思います。しかし、親亡き後の、障害者が暮らす場が不足しているもとで、『ロング・ショートステイ』状態を余儀なくされている方を解消することができるのかについては疑問です。
引き続き、入所施設の整備についても求めていきたいと考えます。

次に、児童養護施設の乳児棟設置についてですが、これまで政令市において乳児院が設置されていないのは堺市だけでしたが、乳児院ではないものの、同様の役割を持つ乳児棟が整備されるとのことです。里親制度の促進においても乳児院は重要な役割を担うことになるでしょう。引き続き、こども相談所のさらなる機能アップに向け、児童福祉士などの職員配置についても充実されるよう求めておきます。

次に、子ども医療費助成についてですが、高校卒業までの拡大は市長の公約でもあります。早期に、所得制限無しで高校卒業まで拡大されることを求めておきます。

次に、ガン検診の無料化についてですが、4月から国保の府内一元化が実施される予定ですが、これに伴い国保加入者の特定検診についても自己負担がなくなります。
これを機に、ガン検診・特定検診ともに受診率を向上させることができるよう、電話やハガキなどによる受診勧奨を強化することや、「土・日の集団検診」を推進することなどを表明されました。しっかり取り組んで頂くよう求めておきます。
なお、国保の一元化においては、国保運営協議会で確認されたように、公費の投入をさらに増やすことを大阪府や国に要望していただくよう求めておきます。

次に、介護保険料についてですが、平成30年度からの第7期の保険料が示されました。介護保険制度発足当初の基準額と比べ、保険料はほぼ倍になります。当局は、14段階の保険料を16段階に増やすとともに、生活困窮者への減免を1人世帯の年収を120万円から150万円へと引き上げることを検討と表明されました。
しかしながら、この先も、とりわけ低所得者の負担は大きくなるばかりです。この際、介護保険財政における国の負担割合25%を増やす以外、国民の負担を抑える方法はありません。引き続き、国に対し国の負担割合を増やす要望を強めて頂くよう求めておきます。

次に、教育施策についてですが、基礎学力の保障は、「人格の完成」に欠くことのできない学校教育の課題です。本市では「総合的な学力」をめざして、授業改善に取り組み、子ども達の思考力・判断力・表現力の育成を行ってきました。
昨年4月から、小学校においては、3年生から6年生までの38人学級や少人数指導を進めてきました。また、中学校では、全校に生徒指導主任を配置するなど、児童生徒に目の行き届く教育環境の改善と合わせ、教職員の多忙化解消に取り組んできましたが、少人数学級実施については、さらに中学校へ拡大されるよう求めておきます。
いっぽうで、全国学力学習状況調査・堺市の学びの診断・大阪府実施のチャレンジテストなど、テストが繰り返し行われています。学校教育において、テストの結果だけを重視するのではなく、児童生徒が自ら学ぶことを重視し、学校図書館司書の配置を拡大し、堺マイスタディ事業等により、家庭学習支援の取り組みを、より推進することが重要です。引き続き、取り組みを強化されるよう求めておきます。
なお、中学校部活については、部活動外部指導員12名配置等の部活動推進事業が提案されています。スポーツ庁の「運動部活動のあり方に関する総合的なガイドラインの骨子案」に則り、週2日のノークラブデー、平日2時間・休日3時間の練習時間などの実施が、生徒の過重な負担や教職員の長時間勤務の解消を実現し、すべての中学生にとって楽しくやりがいのある部活動となります。部活における、体罰の根絶や事故の防止も重要な課題です。教職員の研修による意識改革と合わせ、実態把握に努め学校現場をしっかりサポートされるよう求めておきます。

次に、就学援助についてです。この間、強く要望してきた入学用品費の増額が示されました。小学校1年生が20,470円から40,600円へ、中学校1年生が23,550円から47,400円へと、国基準並みに単価が引き上げられます。このことについては評価します。しかし、認定基準は生活保護の基準額1.0倍のままです。これは「教育の機会均等」に反するものです。実態にあわせ見直しされるよう求めておきます。

次に、生活保護行政についてです。社会福祉法第16条に定める標準数はケースワーカー1人あたり80世帯としていますが、現在、本市においては1人あたり111もの世帯を担当しています。厚生労働省が、2016年度(平成28年度)に本市に対して行った生活保護法施行事務監査では、堺保健福祉総合センターが30名、東区7名、南区17名、美原区が1名、中区が16名、西区が16名、北区が18名不足していると厳しく指摘しています。 ケースワーカーのハードワークを解消し、利用者に対し、より丁寧な寄り添い支援ができるよう体制を整えることが重要です。早期に、基準数を満たすよう強く求めておきます。

次に、LGBT支援事業についてです。今回、示された本事業内容はこれまで実施してきた啓発事業、相談事業をより一層充実させ、先進市の事例研究についても進めて行くとのことです。なお、新たな啓発事業としては啓発カードを作成し各区役所の市政情報コーナー、学校園などへ配布するとのことですが、それに加えて各保健センター、女性センターなどへの配布もお願いしておきます。さらに、全国に広がるパートナーシップ制度を本市においても実施されるよう求めておきます。

次に、ユニバーサルデザインガイドライン改訂についてです。この間の要望に対して、「ガイドラインの作成から既に10年が経過しており、作成時にはなかった新しい事例や取組み、また、利用者の新たなニーズの発生などが考えられます。同時に、ガイドライン改訂の周知も含めた庁内研修やユニバーサルデザインの推進体制に関する検討なども進め、一層のユニバーサルデザインの推18/3/22 13時29分進を図っていく」と答弁しています。また、本市はユニバーサルデザインを推進するにあたって、「プロセスと利用者の参加」を重視し、「誰もが利用しやすいものをつくるためには、計画段階から利用者のニーズを十分に把握し、利用者の視点に立ってデザインすることが重要です。また、場合によっては、利用者の潜在的なニーズや加齢などによって生じる将来のニーズにまで配慮する必要がある」としています。
先日、東京都議会において包括的な公園の整備が決定したとのことです。本市においても障害の有無に関わらず利用できる包括的な公園整備と公園遊具の整備を求めておきます。

次に、小規模企業に対する支援策についてです。
堺市産業振興センターにおける企業訪問は、中小企業支援策として有効な取り組みです。これに加わえ、5人以下の小規模事業者に対しての訪問支援を強められるよう求めておきます。
小規模企業白書によれば、高齢化及び後継者不足が深刻な状況とされており、事業承継支援事業は、今後大きな課題となっています。本市としても5年~10年の事業承継を見据え、適切な準備を行うとのことですが、その際、適切な準備は早いうちに(40代くらいから)承継を図ることを念頭において取り組むよう求めておきます。

次に、「百舌鳥古墳群周辺整備・来訪者対策事業」についてです。
本市は、大阪府、羽曳野市、藤井寺市と共に百舌鳥、古市古墳群が、来年に「世界文化遺産登録」をめざしています。昨年は、国内推薦され、これを機に来訪者も増加傾向にあります。来訪者の「おもてなし」のためとして、大仙公園周辺の駐車場整備や公園内の照明灯、横断歩道のバリアフリー化、「おもてなしトイレ」の整備などが予定されていますが、百舌鳥古墳群の玄関口のJR百舌鳥駅は、時間帯無人駅となっています。しかも、駅周辺には、特別支援学校,市立健康福祉プラザなどがあり、事故を未然に防ぐために「ホームドアー」の設置など、改善が求められてきましたが、未だ、改善されていません。JR西日本旅客(株)は、「1日乗降客が、8,000人であり、設置予定なし」と冷たい回答です。市当局は、「同社との協議を通じて、さらなる安全性や利便性の向上に取り組んでいきたい」と表明されましたが、来訪者への「おもてなし」を言うならば、まず駅の無人化を早期に改善すべきです。
百舌鳥古墳群の周辺整備と来訪者対策については、スピーディーに取り組むよう、とりわけ来年度世界遺産登録時を見据えて整備されるよう求めておきます。また、ガイダンス施設が完成するまでの期間、堺市博物館の役割はとりわけ、大変重要です。展示内容や企画展に尽力されるよう求めておきます。

次に、区民評議会についてですが、南区区民評議会が今年2月に自主提案事項として「買い物困難者への支援等についての提言書」を策定しまた。提言に基づいて、区独自の取り組みの第一歩として「買い物支援サービス一覧表」を作成し、配布する予算が盛り込まれました。区民評議会の在り方を示す事例として、今後の取り組みに生かしていただくよう求めておきます。
また、その有効施策として、提言において、お出かけ応援バスの利用向上のためのバス停の増設、増便なども示されています。積極的に推進するとともに、路線の見直しについても取組みを強化するよう求めておきます。

以上、今後に向け、さらなる施策の推進や新規事業の取組みなど、積み残された課題もあり、引き続き議論が必要と考えますが、長年にわたり、わが党が市民とともに求めてきたものや、新たな事業の取組みなど、評価できる積極的な点も多々あることから、2018年度(平成30年度)予算案に対し賛成であることを表明し、わが党の意見と致します。

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