9月5日 決算委 森田議員が決算認定 賛成討論

 9月5日堺市議会決算審査特別委員会で、2016年度 堺市の各会計についての決算認定について採決が行われ、賛成多数で可決されました。

 「維新の会」と小林議員は一般会計の決算認定について反対しました。

 9月8日(金)午前10時から開かれる本会議に上程されます。

 採決にあたって、日本共産党堺市議会議員団を代表して、森田こういち議員が行った賛成討論の要旨は以下の通りです。

森田こういち議員の討論要旨

 日本共産党堺市議会議員団を代表し、2016年度各会計決算について意見を申し述べます。

 2016年度の実質収支は22億3千万円、単年度収支は2億2千万円の黒字となりました。

 実質収支は1980年度以降37年連続で黒字となっており、単年度収支は2010年度以降7年連続の黒字を確保しています。

 水道事業会計、下水道事業会計ともに2年連続純利益を計上し、黒字を確保しています。

 実質公債比率は5.7%・将来負担比率は17.5%であり、この数字は、国が示す早期健全化基準をいずれも大きく下回っており、全国の20政令市の中でも有数の財政の健全性を示すものとなっています。

 こうした財政の健全性が維持されてきている背景には、臨海へのLRT計画の中止や堺東駅前の再開発ビルへの文化芸術ホールの整備計画を中止し、市民会館を現地建て替えに切換え、建設費用を大幅に圧縮したことが背景にあります。

 2016年度においても、宿泊型の産後ケア事業や第3子以降のゼロ歳から2歳児の保育料無償化、子どもの貧困対策についても子ども食堂のモデル事業やひとり親家庭学び直し支援事業、ひとり親家庭職業訓練促進資金貸付事業、泉北高速鉄道通学定期の負担軽減などが取り組まれました。

 4年前 堺市民は「堺はひとつ・堺をなくすな」を合言葉に「維新の会」による「堺市つぶし」の大阪都構想にノーをつきつけました。2015年には大阪市で「住民投票」がおこなわれ、ここでも「大阪都ノー」の審判が下されました。

 「大阪都」構想は、堺市の今ある財源も権限も吸い上げるものであり、市民にとって百害あって一利なしといえるものです。政令市としての堺市の解体・廃止は断じて許せません。

 今後も引き続き「自治都市」堺の名にふさわしく、「政令市」としての権限を活かし「市民目線」での市政改革を進め、福祉・医療・介護・教育・営業など市民のくらしを支える様々な分野での施策の前進を図られることが強く望まれます。こうした観点に立って、以下各点にわたって、今後の市政運営の改善すべき点や進めるべき点について申し述べます。

 まず、教育関連であります。

 中学校給食は、昨年11月、選択制で、実施されました。しかし、給食利用率は、昨年も今年も8%です。当初の見込み20%には到りません。ところが、登録率は、昨年は23%、今年は31%となっています。担当課では、登録率と利用率の違い、利用低迷の原因を現在、調査しているとのことです。市内中学校の利用の状況は、多いところでは美原区S校が22%、少ないところは中区F校の2.4%です。この違いについて更なる調査研究が必要です。

 大阪府の状況をみると43自治体で実施されており、うち30自治体は、すでに全員喫食です。ただし大阪市は、一部選択制です。また、選択制で実施の利用率は、富田林市の43.5%を除けば、残り12自治体の利用率は、10%が3自治体で、残り9自治体は、4.7~8%です。これらをみれば選択制では学校給食の本来の目的である、栄養バランスの取れた昼食の提供や、食を通しての学習や食文化の継承などはとても望めません。堺市の学校給食については、当面利用率を20%に高める努力と、将来的には全員喫食での実施を求めておきます。

 次に、就学援助についてです。

 子どもの貧困は一刻も早く解消する必要がある課題です。堺市では子どもの生活実態調査が行われ、本市においても貧困の連鎖を断ち切ることの重要性が明らかになりました。憲法では、教育の無償が謳われていても、現実には保護者には重い負担があります。

 また、就学援助は国の制度ですが、実施は各自治体にまかされています。堺市の認定率は、生活保護基準の1.0倍です。利用率は17.89%です。認定基準を生活保護基準より引き上げ、利用率を20%程度に引き上げることが必要です。また、入学準備金については、一定引き上げられましたが、教育扶助金の基準額とされている金額は小学校は40,600円。中学校は47,400円です。さらに、引き上げるよう求めておきます。
また、給付の時期は、国も年度内支給を認めています。このような動きの中、京都市も年度内支給実施に向かっているとのことです。堺市でも3月支給実施を改めて強く求めておきます。

 また、中学校給食への適用も合わせて求めます。

 次に、文化振興関連です。

 百舌鳥古市古墳群の世界文化遺産登録に向けてもさまざまな取り組みを進められています。来訪者に向けては博物館において古墳時代の展示、大型スクリーンによるシアター上映や古墳群の保存計画に基づく発掘調査など今後につながる取り組みは評価します。今後来訪者に築造時の古墳をアピールできるよう復元を早められるよう求めます。

 次に、北区文化ホールの整備についてです。産業振興センターのホールが、他の行政区の文化ホールと同様の設備を有していないことは、当局もよく認識しておられることであり、北区に文化ホールが有るのか無いのかについては、議論するまでもありません。

 北区内には、数々の芸術・文化活動をしておられる区民が大勢おられますが、北区にその発表の場、公演の場がないことに対する疑問の声は長年にわたり蓄積してきました。

 『フェニーチェ堺』が完成すれば、次は「いよいよ北区文化ホールか」との期待が、芸術文化の活動に携わる個人、グループ、団体をはじめ多くの区民の間で広がっています。ぜひ、早期に整備していただきますよう求めておきます。

 次に、「美術館」の建設についてです。

 20政令市中で、美術館が無いのは2市で、その一つが堺市です。国の文化芸術振興基本法は、文化芸術の持つ計り知れない機能があることから、文化芸術の重要性を示しています。本市の「自由都市堺文化芸術推進計画」の中で、文化芸術の振興に関する基本的な方針で、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を文化の祭典として成功させることにより、我が国の文化や魅力を世界に示すとともに、文化芸術を通して世界に大きく貢献する、またとない機会である」としています。

 市長は、「美術館は、市民にとって心の潤いと安らぎを与える、そして、子どもたちに豊かな感性を与えていくということで、非常に大きな機能があるというふうに思っている。そして、堺を都市魅力として売り出す、発信していくためにも必要だと思っている。」と議会で答えてきましたが、整備について、いまだに、具体に示されていません。美術館は、政令市としての品格と歴史ある文化芸術を活かした、堺のまちづくりに欠かすことのできないものの一つです。幅広い多くの専門家の方たちの協力を得て「美術館」の設置に取り組むよう求めます。

 産業振興についてですが、

 本市の製造品出荷額等は大阪市を抜いて全国で6位、一人当たりでは政令市で1位となっています。本市の産業支援ものづくり支援に取り組んだ結果だと評価します。
今後とも、中小企業や地場産業支援を一層行うことを求めます。

 次に、社会保障関連です

 介護保険についてですが、国は「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等改正法」(略称、地域包括ケア強化法)にもとづき、「地域共生社会の実現」を掲げ、地域住民等による助け合いの活動としての「共生型サービス」を、公的社会福祉のシステムに組み込み、高齢、障害、子どもらの福祉サービスの包括化を目ざそうとしています。

 また、「地域包括ケア強化法」は、「介護保険制度の持続可能の確保」と「地域包括ケアシステムの深化・推進」という2つのスローガンを掲げ、「適切なケアマネジメントの推進」の名のもとに、「地域包括ケア」を医療費や介護給付費を抑制・削減する手段として利用し、「医療と介護の一体的改革」をすすめようとするものです。

 本来、「地域包括ケア」というのは、「要介護状態になっても、住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援などを一体的に提供する体制」を構築するものでなければなりません。しかし、政府の言う「地域包括ケア」は、「自助・互助・共助・公助」の役割分担が重要として、社会保障などの「共助・公助」を後退させ、本人と家族の自己責任による「自助・互助」を核に推進しようとするものです。
さらに、「我が事・丸ごと」をスローガンに、誰もが否定しづらい「助け合い」や「共生」の名のもとに、社会保障制度の後退を目指していることは看過できません。

 また「自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化」では、地域ケア会議において「できないことを、できるようにするためのケアマネジメントをめざす」を強調し、「高齢者が介護保険を卒業して、地域活動にデビューする」を目標にして取り組む事を評価の基準に据えようとしています。さらに、介護療養型病床群を2023年迄に廃止し、その受け皿として「介護医療院」や「共生型サービス」を創設するとしています。
このようなことが推進されれば、ますます介護難民を増やすことになりかねません。

 これに対し、本市の「地域包括ケア」においては、「安心で健やかにいきいきと暮らせるまち堺の実現めざし、可能なかぎり住みなれた地域で生活を継続できるよう、医療や介護などが切れ目なく、一体的なサービスが受けられる体制づくりを行う」と、述べられました。今後とも、その姿勢を堅持し臨んでいっていただきたいと思います。

 また、国の言う「医療と介護の一体的改革」の狙いには様々な問題がありますが、いっぽう地域においては、「医療と介護の連携」は重要な課題となっています。本市では、『地域医療連携支援センター』を設置し、7月1日より業務が開始されていますが、『医療と介護』の相談に一括して対応し、取り組まれていることは評価したいと思います。

 また、要支援者の場合も専門的介護サービスを必要とする方には、現行サービスを実施するとし、基本チェックリストの扱いも、まずは要介護認定の申請受付を優先する形で対応しているとのことですので、引き続きその姿勢で臨んでいただきたいと思います。

 この先、「地域包括ケア強化法」にもとづき、国から様々な仕組みが押し付けられてくるのではないかと予測されますが、堺市の高齢者が安心して暮らしていけるよう、今後とも医療・介護サービスの維持・向上に努めていただくことを求めておきます。

 次に、こども相談所機能の充実に向けての乳児院の整備についてです。乳児院は、児童福祉法37条に定められた入所型の児童福祉施設です。近年では、乳児の入所の理由は単純ではなく、保護者の状況として、精神障害、若年・未婚の母、借金といった様々な困難や孤立などの困難を抱えている場合が多く、しかも複雑で重層化しています。

 主たる問題が改善されても、別の問題を抱えていることも多く、家庭環境の調整を丁寧に行いながら家庭の再構築に向け、きめ細やかな対応を進めていくことが求められています。
また、入所から退所後に至る保護者への支援、並びに里親へとつないでいくためにも、乳児院は重要な役割を担っており、児童相談所との連携が重要となっています。しかしながら、本市には乳児院がありません。ちなみに、政令市20市のうち、乳児院がないのは堺市だけです。堺市のこども相談所の機能充実に向け、乳児院を早期に整備するよう求めておきます。

 次に、生活保護の就職支度費および、母子父子寡婦福祉資金の就労支度資金についてですが、生活保護の就職支度費は就職が決まってからでないと支給されませんし、母子父子寡婦福祉資金の就労支度資金も就職が決まってからでないと貸付を申し込めません。

 就職先を決めるには、就職活動が必要です。したがって、自立を支援するからには、就職活動から支援するものに運用を改めることが重要です。 改善を求めておきます。

 次に、国民健康保険制度の府内一元化問題についてです。

 堺市における一人あたりの標準保険料が暫定的ですが、大阪府から示されてまいりました。それによると、127,034円となっており、堺市の一人当たりの現行保険料より、6,822円アップすることになります。堺市は、一般会計から法定外の繰り入れをほとんど行わず、独自の努力によって一人当たりの国民保険料を8年連続で合計、16,134円の引き下げを行ってきました。ところが、保険料の統一によって、この成果の約半額近くが失われることになります。

 日経新聞の報道では、来年度の保険料統一化に向け取り組んでいる府県は、大阪、奈良、滋賀、広島など、わずか9府県であり、東京、神奈川、愛知、福岡、京都など31都府県は、未だ統一の検討を行っておらず慎重な姿勢をとっています。また、北海道、岐阜、石川など7道県は未定となっているとのことです。 このようななか、なぜ大阪府においては実施を急ぐ必要があるのか、非常に疑問に思うところです。

 したがって、本市として、大阪府に対し「来年3月に国保統一実施」ありきではなく、実施に際しては府内各市町村の意見、要望をよく聞き、各市町村納得のもとにすすめること、また国に対しては、『国保への国庫負担金を抜本的に拡充すること』や、『減免制度を拡充する』よう求めていくことが重要であることを強く申し述べておきます。

 最後に、ユニバーサルデザインの取組についてです。「堺市ユニバーサルデザインガイドライン」は平成18年度に作成され、10年あまりが経過しました。したがって、この間の取組内容を振り返り、改善できる点はないか点検する時期ではないでしょうか。

 大綱質疑において、ガイドラインにある「庁内においては、これらの事業を専門に推進し、部局間の調整を行うユニバーサルデザイン推進スタッフを配置し、各部署に兼務職員としてユニバーサルデザイン推進員を配置することが必要になってきます」としている部分を紹介しました。それに対し、当局は「ユニバーサルデザインの考え方が各部局にある程度浸透している。一方で改善できる点もある」と認識は示されました。

 当局も認識されているように改善できることはまだあります。その中のひとつにユニバーサルデザインの公園遊具があります。ブランコでは、背もたれとフットレスト付のブランコ、或いは、「リバティ・スイング」という車いすに乗ったままの利用も可能なブランコがあります。国内においては、岩手県一関市に「リバティ・スイング」が設置されています。この遊具を設置する場合は、利用者を障害のある人に限定したり特別な遊具として孤立させたりするのではなく、可能な限り包括的な環境を整えることも配慮しているそうです。このほかにも車いすユーザーを含めて大勢で船のような揺れを楽しめる遊具、回る遊具、バランス遊具、また一般的な台座と背もたれ付のシートが並ぶターザンロープなど障害の有無を問わずあらゆる子どもたちに豊かな遊びの機会を提供する遊具があります。

 現在、こうしたユニバーサルデザイン遊具を取り入れている公園の多くは、国営公園ですが、今後は本市においても、新たに整備される公園や遊具を更新される際にユニバーサルデザイン遊具を安全基準も判断しながら積極的に取り入れていただくよう求めておきます。また。これ以外にも、まだまだ改善できる点をより明確にしていくためにもユニバーサルデザイン推進員の配置を求めておきます。

 以上、今後の市政運営に最大限このことが反映されることを求め、2016年度各会計決算について認定することを表明し、意見といたします。

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