3月24日 予算委 総括質疑に城議員 賛成討論に森田議員

 3月24日堺市議会予算審査特別委員会で、2017年度の堺市当初予算案並びに関連議案の採決が行われ、賛成多数で可決されました。

 維新・黒瀬議員は一般会計予算案に反対をしました。

 3月30日に開かれる本会議に上程されます。

 総括質疑では、日本共産党堺市議会議員団を代表して、城 勝行議員が以下の7項目にわたり、質疑を行いました。

 ◯本市の財政状況とその背景について

 ◯府費負担教職員の権限移譲について

 ・少人数クラス編成等について

 ◯介護予防・日常生活支援総合事業と介護保険について

 ◯国民健康保険事業特別会計について

 ◯下水道使用料改定について

 ◯子ども医療費助成制度の拡充について

 ◯泉北ニュータウン再生について

 ・近畿大学医学部及び附属病院の移転等について

予算案の採決にあたっての賛成討論については、
森田 こういち 議員
が行いました。

討論の要旨は以下の通りです。

 【森田議員による予算審査特別委員会での賛成討論】

 日本共産党を代表し、2017年度堺市当初予算案並びに関連議案について意見を申し述べます。

 安倍政権は、アベノミクスで「世界で一番、企業が活躍しやすい国をめざす」と宣言し、「大企業を応援し、大企業がもうけをあげれば、いずれ家計に回ってくる」と説明してきました。アメリカのフォーブス誌が集計した「日本の富裕層」上位40人の資産総額は、この4年間で7.2兆円から15.4兆円へと、2倍以上にも増え、大企業は3年連続で史上最高の利益をあげています。

 その一方で、働く人の実質賃金は5年連続のマイナスで、この間、5%も下落し、年収400万円程度の労働者だと20万円もの目減りとなります。また、「金融資産ゼロ」の世帯は、全世帯の35%と、過去最高になり、ほんの一握りの超富裕層と、99%の国民との間の大きな格差が生じています。

 さらに、75歳以上の医療費窓口負担を2割に引き上げることや、介護保険の「要介護1・2」の保険外しといった社会保障大改悪は、より一層格差を広げるものとなります。

 一方、大阪では、32億円もの税金を投入して行われた住民投票で「都構想」は必要なしとの結果が出たはずですが、大阪府と大阪市が法定協議会を設置し、再び住民投票を行おうとする動きがあり、市民の命と暮らしを支える政令市の権限と財源を共同で守らなければなりません。

 まさに今、堺市政に求められていることは、こうした国や府の暴走とも言える政治から市民の暮らしを守り、「住民福祉の向上」という地方自治法の目的に沿った市政運営をはかることです。加えて、環境にやさしく、災害に強いまちづくりを進め、市民の声に耳を傾け、文字通り、子育て日本一を実現することが求められています。

 こうした観点に立って、以下の幾つかの点について意見を述べます。

 まず、子育て支援などについては、多くの新規事業や事業の拡充が盛り込まれています。
○多子世帯における第三子以降の子どもの保育料の無償化拡大
○1号認定の子どもにかかわる利用者負担の軽減
○保育士宿舎借り上げ事業
○保育を必要とする医療的ケア児への支援
○訪問型病児保育事業
○養育医療対象児の入院治療費の無料化
○子ども食堂ネットワークの構築
○障害者・児介護家族への緊急時対応システムの構築
○ダブルケアの方への支援事業
○児童発達支援センター(第2百舌鳥園・えのきはいむ)の整備
○児童自立支援施設の整備
○手話・コミュニケーション条例普及・啓発事業
○前立腺がん検査の実施

 などです。市民生活に関わる多方面の施策に配慮されたものとなっており、また、特に子育て支援や教育にかかわる予算の拡充が図られているのが特徴となっており、評価できます。とはいえ、わが党の重点要望に照らせば、「こども医療費を無料で高校卒業まで拡充」「知的障害者の入所施設の整備」といった施策は、残念ながら盛り込まれていません。これらの施策を、早急に実施されるよう強く求めておきます。

 また、訪問型病児保育事業についてですが、とりわけ就学前の病児への派遣スタッフは、保育士や看護士の資格を有する者を原則とするよう強く求めておきます。

 次に、子ども食堂ネットワーク事業についてです。本事業のネットワーク構築では、社会福祉協議会に事務職員を配置し様々な機関や地域をつなぐ等の調整を実施し、子ども食堂開設支援補助では、1ヶ所あたり上限20万円の助成を行うとのことです。行政が画一的な運営を持ち込むのではなく、地域の実態を掴んでいる地域の方々を応援するという姿勢を評価します。しかしながら、開設支援補助金も大切な市民の税金ですので適切なチェックが必要です。今後はネットワークを活用し、食材の寄附や情報収集の場として「フードドライブ」の実施についても検討してもらうよう求めておきます。

 ダブルケアの方への支援を推進するうえにおいては、特別養護老人ホームの整備が急がれます。2018年(平成30年)の整備計画においては、実態に見合う整備計画を立てるとともに、増床を急ぐよう求めておきます。

 介護予防・日常生活支援総合事業についてですが、緩和型サービスである担い手登録型サービスは、介護保険給付としての専門的サービスに取って代われるサービスではありません。ケアマネジメント検討会議で安易に自立と判定し、非専門的サービスに移行させるということのないよう、専門的な訪問介護サービスや通所介護サービスを利用することで、自分流の生活を維持してきた要支援者に対し、継続して現行サービスを提供するよう重ねて申し上げておきます。

 『包括支援センター』『在宅医療・介護連携支援センター』については、その機能が発揮でき、役割が果たせるよう、人員体制の整備を求めておきます。

 次に学校教育に係る施策についてです。

 府費負担教職員の権限移譲によって、堺市の学校教育の基盤整備が大きく前進します。

 まず、小学校教育支援少人数教育の実施により、「学級分割か少人数指導を状況に応じて実施」とされています。38人以上の学級分割の実施ができるとのことです。一人ひとりに目の行き届く学校教育を実現する大切な施策です。国の制度化は小学校1年生のみ35人学級。2年生は自治体に任せています。しかし、これに留まっているのは全国で、広島・熊本・大阪の3府県だけです。全国的に進む少人数学級の効果は誰がみても明らかです。
今後は35人学級の実施と中学校への拡大を要望いたします。

 学校図書館司書の配置についても、前進しました。現在は小中校合わせて7人ですが、今年から全中学校に配置とのことです。しかし週18時間勤務の職員を2校に1名とのことですから、1校当たり週9時間勤務となり、文科省のいう「週30時間勤務の職員を2校に1名」とはかなりのかい離があります。今後は計画的に文科省の水準を目指すことを求めます。

 すべての小学校に空調設備設置が完了し、この夏から堺市のすべての小中学校で利用されます。また、老朽化したトイレの全面改修と洋便器への取り替えが行われます。洋便器設置率は全国平均は、43.3%。政令市平均は42.7%。堺市は23%ですから、早急に実施することを求めます。

 あわせて学校給食の無料化や補助の実施について検討されることを求めます。

 教職員の長時間勤務の解消についても、上限時間の規制と勤務から勤務へのインターバル規制で、教職員が元気に働く学校現場を実現するよう求めておきます。

 次に、就学援助制度についてです。来年度予算案には、2006年度(平成18年度)から2016年度(平成28年度)まで10年間据え置きされてきた本市の準要保護世帯に支給される就学援助の入学用品費が小学校1年生は、18,240円から20,470円、中学校1年生は21,330円から23,550円と、それぞれ増額する内容で予算計上されています。このことについては評価をします。とはいえ、群馬県太田市では小学校で4万円、中学校で5万円、また埼玉県富士見市、山形県米沢市などでは小学校40,600円、中学校47,400円へと要保護世帯の就学援助入学用品費の同単価まで引き上げをすると表明されています。本市においても実際にかかる入学用品費とのかい離をなくすようを求めておきます。

 また、入学用品費の入学前支給についても求めてまいりました。現在、入学用品費の入学前支給を実施或いは実施予定の市区町村は合わせて156市区町村に広がっています。こういった動きのなかで、先般、3月8日の文部科学委員会において初等中等教育局長は、「独自に小学校の入学前支給を行っている市町村の動きを踏まえ、国としては検討を行っている」と答弁しました。また、文科省は小中学校についても国が補助できるように検討しています。国も入学前支給を前向きに検討しており、本市として、準要保護世帯における就学援助の入学用品費の前倒で支給実施を求めておきます。

 次に、大学給付型奨学金についてです。国が2018年度から本格的にスタートする給付型奨学金の規模は、1学年2万人と学生数の2%強にとどまり、対象も住民税の非課税世帯で、成績基準などをクリアした学生が学校推薦で選ばれます。これ対して、「あまりに少なすぎる」「ほとんどの学生が対象外だ」と批判があがっています。そのような国の動きがあるもとで、独自の給付型奨学金の創設に踏み出している自治体が出てきています。本市においても大学給付型奨学金や無利子奨学金、卒業生対象の利子補給事業の実施を強く求めておきます。

 次に、放課後児童支援施策では、のびのびルームの運営に初めて企業が参入することとなりました。これまで通りの運営が行われるか、指導員の雇用は守られるかなどが、児童、保護者、指導員それぞれから不安の声が出ています。これまでの他市の事例から収支報告の提出や使途制限を行うべきとの陳情も出されています。市は「収支報告の提出は必須ではない」としていますが、業務委託料として税金が適正かつ効果的に使われているかどうかを何重にも確認できるようにすることは当然のことです。

 したがって、収支報告書の提出を義務づけるべきです。あわせて、一方で日ごろからR-PDCAを推奨されているわけですから、実践報告集を作成すること、全指導員間の経験交流を開催すること、また支援単位が3つ以上にまたがるルームについては、当面、主任指導員を2人以上配置することを強く求めておきます。

 次に、人権課題におけるLGBTなど性的マイノリティの方々への支援とヘイトスピーチ対策についてです。

 まず、LGBTなど性的マイノリティの方々への支援についてですが、大綱質疑において「来年度中に人権推進課において相談に対応できるよう取り組んでいく」との答弁がありました。このことについては大いに評価しているところですが、今後はどの相談窓口でも対応できるように求めておきます。また、その周知については、広報さかいやホームページで行うとのことですが、市民や教員等への啓発も兼ねて行うという観点も取り入れて、パンフレットやポスターを作成・発行し周知を図ることや、例えば本市が後援し、応援メッセージも送っている「関西レインボーフェスタ」の開催日に連動させて、本庁ロビー等においてパネル展示を実施し同時に周知を図る取り組みも求めておきます。

 次に、ヘイトスピーチ対策についてです。根本的にはヘイトスピーチ禁止或いは解消についての条例制定を求めるものです。本市において、デモ等を活用した大掛かりな扇動は行われていないとのことですが、2014年(平成26年)に本市西区の施設において従軍慰安婦パネル展が開催されました。ここでは、いわゆる従軍慰安婦を直接検証する内容のパネルは一部であり、「売春が伝統文化基幹産業の韓国」などと特定の民族を中傷したものがあり、公共の施設で許容するべきでないものが散見されました。本市は、今後どのような事案において、どのような対応ができるのか弁護士など専門家の意見を聞き、関係部局と協議を続けるとしていますが、今後ヘイトスピーチに該当する場合において具体的かつ有効な手立てを実行できるように改めて条例制定を強く求めておきます。同時に、多様性を認め合える社会の実現のために多文化共生社会に関する事業の拡充を求めておきます。

 次に、「給与所得等に係る市・府民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」に納税義務者の個人番号が記載されることについてです。そもそも、マイナンバー法12条には「個人番号の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人番号の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない」と定められています。しかし、今回の通知書には、会社側に個人番号を知らせたくない従業員の個人番号も含めて記載せよという通知になっています。大綱質疑で当局は、「行政としては法令に従わなければいけない」との見解を示されました。しかし、この件については、国は地方税法を守れといいながら、マイナンバー法も守れと矛盾極まる指示をしてきています。そのような中、市民の安心・安全を優先に考えた自治体は、番号を記載しない、もしくは一部記載、アスタリスク印字にすると表明しています。

 今回の通知に関する業務は、自治事務です。道路局路政課がインターネットでも公表している「地方分権に伴う通達の取り扱い」では次に様に書かれています。「自治事務に対しては、その法律の解釈や運用についての国の通達は一般的な技術的助言、つまり客観的に妥当な行いをするように促したり、そのために必要な事柄を示したりするのもであって、原則として地方公共団体を拘束しない」とあり、続けて「もし法律の具体的な解釈や運用について地方公共団体を拘束するような通達を出せるとしたら、地方公共団体と国は対等だという原則に反することになってしまう」と記載されています。こういった原則があるからこそ、総務省は個人番号を記載しない自治体に対してペナルティーはないと明言しているのではないでしょうか。本市におかれましては、この件が、国は「今回の通知は自治事務だから、もし情報漏えいがあれば、マイナンバー法を守れなかった自治体責任者に責任があるのであって、国には責任はない」と逃げるための仕掛けであるといっても過言ではありません。本市においても、一部記載、アスタリスク印字にすることを強く求めておきます。また、窓口で働く職員は、市民からの問い合わせ等で仕事が増え、余計に業務の効率が悪化しているという実態を国にしっかりと伝えるよう求めておきます。

 次に、公契約の在り方についてです。

 本市は、住民福祉の向上及び地域の発展に寄与することを目的として「堺市調達方針」を策定して取り組まれています。公契約条例は、公共工事・公共サービスなどを民間事業者に発注して行う際に、低賃金を背景とするダンピング受注を排除し、「公務・公共のサービスの品質の確保」「事業者相互間と労働者相互間の公正競争を実現すること」を目的としています。

 公務・公共サービスに働く労働者に適正な「働くルールと労働条件」を確立し、事故の再発防止に積極的に取り組むためにも、「公契約条例」を制定し、「賃金の下限設定」を行い公契約の適正化に取り組まれるよう求めておきます。

 次に、市内の中小零細企業の活性化支援策についてです。

 中小企業は「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」する存在です。地域に根をおろし、モノづくりやサービスでの需要にこたえ雇用を生み出している中小企業の役割はますます大きくなっています。小規模企業振興基本法では、「成長発展」だけではなく、「事業の持続的発展」の重要性を明確にし、個人事業主、従業員5人以下の「小企業者」などを「地域経済の主役」と位置づけています。

 耐震化・省エネなど住環境の改善整備で市民に喜ばれるとともに、波及効果の大きさで地域経済対策としても大きな威力を発揮する住宅リフォーム助成制度の創設することや、入札参加資格のない中小業者を登録し、堺市が発注する小規模な工事・修繕などに受注機会を拡大する小規模工事希望者登録制度の創設を求めておきます。

 次に、中心市街地活性化に向けては、関連する事業予算として堺東駅前再開発ビル、ぺデストリアンデッキの整備、および堺市芸術文化ホールへの周辺環境整備が計上されています。

 芸文ホールへのアクセス道路の整備にあたっては、近隣の住民、駅前商店・店舗などの意見を尊重して進め、政令市にふさわしい玄関口となるよう求めておきます。

 百舌鳥古市古墳群の世界文化遺産登録に向けては市民の機運向上が欠かせません。各路線の最寄り駅に案内板を設置したり、商店などでペナントを設置するなどさらなる気運向上に向けた取り組みを求めておきます。

 都市内分権の推進では、区役所の権限と財源委譲により、区民が主体となったまちづくりを一層推進し身近な区役所づくりにつなげるよう求めておきます。また区教育健全育成会議や区民評議会については、多様な市民意見がより一層反映できるよう公募委員の増員を求めておきます。

 最後に、下水道事業会計についてですが、この間一貫して、使用料の引き下げを行うよう要望してきました。2017年(平成29年)10月より基本使用料1か月あたり50円引き下げる提案がされました。上下水道の耐震化を促進することは当然ですが、累積欠損金の解消が2020年(平成32年)との見通しの中で、この間経営改善の努力などにより引き下げに踏み切ったことは評価するところです。とはいえ、まだまだ市民にとって高い下水道料金であることに変わりはなく、さらなる引き下げに向けた努力を求めておきます。

 以上、提案された各施策について要望も含めて、意見を述べてきました。全体として、厳しい意見も述べましたが、子育て支援及び教育予算では、新規事業や拡充された事業もあり、市民の安全やくらしを重視した点は評価するものです。

 以上のことから、2017年度堺市当初予算案並びに関連議案について賛成の意を表明し、討論と致します。

 

 

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