堺市の育児支援予算案 市民運動が実を結ぶ 

堺市の育児支援予算案 市民運動が実を結ぶ

 堺市の竹山市長は先月20日、教育や子育て支援策に重点を置いた2017年度当初予算案を発表しました。教育関係者や保護者、市民団体などが求めてきた施策も反映され、「運動が実を結んだ」と喜びの声も上がっています。(笹川神由)

3人目以降の保育料無償/全中学校に生徒指導主事

 予算案では、多子世帯への支援策として4億円を計上。3人目以降の子どもが幼稚園や保育所を利用する際の保育料が無償となります。市の子ども青少年局によると、上の子どもの年齢や世帯の所得に所得制限を設けず、5歳児までを無償の対象とするのは政令市では初めてといいます。

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 さらに、4月から府費負担教職員に関する権限が大阪府から堺市に移譲されることに伴い、すべての中学校に生徒指導主事を専任配置し、全中学校に学校司書を配置する予算も盛り込みました。
「生徒指導主事や学校司書の配置は、私たちもずっと要求してきたものです。予算案に反映されてよかった」。こう話すのは、堺市教職員組合(堺教組)の鈴木喜代治書記長です。

 堺教組は、対市交渉などを交えながら市に要望書を提出し、教育環境の改善を訴えてきました。市は4月から小学校で38人を超える学級がある場台、学級を分割するか少人数指導を実施する方針を決定。児童の状況に応じて学校がどちらかを選択できると説明しています。

 「少人数学級に向けて一歩前進したのは評価できます。でも、その条件が不明瞭ではっきりしない。どういう条件であろうと、一律に少入数学級を実施してほしい」(鈴木さん)

 「子育てのまち堺」を掲げる堺市ですが、課題もあります。

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「学童運営 市の責任で」

 問題となっているのは、市の放課後児童対策事業「のびのびルーム」。これまでは市の公益財団法人・堺市教育スポーツ振興事業団がその運営を担ってきましたが、昨年9月の市議会で、企業の参入を許す公募型「プロポーザル(企画提案)」方式の導入が議決されました。日本共産党は反対しましたが、4月から東区の6校が民間事業者(株式会社)に委託されることが決まりました。

 「3年契約のプロポーザル方式では、3年ごとに事業者や指導員が入れ替わる可能性があります。保育の継続性や安定性が保障されず、保育の質が低下してしまうんじゃないかと心配しています」

 市内の学童保育で指導員を務める女性はこう指摘します。保護者や子どもたちからも「保育の内容がどう変わるのか不安」「先生がおらんようになったら、もう学童に行かへん」との声があがっているといいます。指導員の労働条件の悪化も危惧されると話します。

 奈良女子大学の中山徹教授は、5日に開かれた堺の学童保育を考える集会で、「保育の質を確保するためには、堺市が責任を持って運営しなければならない」と強調しました。

 前出の女性はいいます。「学童は子どもたちにとって休息の場、生活の場です。それを支える指導員の仕事はやりがいもあります。『子育てのまち』というなら、指導員や子どもたちの声に耳を傾けてほしい。プロポーザルはやめて、市の責任で学童を運営してほしい」

(3月9日付「しんぶん赤旗」掲載記事から)

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