2017年度の堺市予算と施策に関する要望書
2016年11月28日 日本共産党堺市議会議員団
「市民目線・現場主義」を掲げ竹山市政はスタートしました。1期目において、堺東駅から臨海までのLRT計画を中止するとともに、堺東の駅前再開発計画と350億円もかかるといわれた市民会館の建替え計画を中止し、現地建替えの計画を推進して、経費を大幅に縮小させました。また、子ども医療費助成を府内でいち早く中学校まで拡充させました。さらに、「国民健康保険料の連続引下げ」や「おでかけ応援バスの毎日運行」など、市民要求を大きく前進させてきました。
竹山市長は、「堺のことは堺で決める」を合言葉に、「自由自治都市・堺」を市民といっしょにつくりあげていくとして2期目を迎え、反維新・「都構想NO」の立場を貫いていることは評価できます。
しかし、3年経過した今、市民のいのち・くらしを守る課題はまだまだ残されたままです。
竹山市政には、今一度「市民目線・現場主義」の原点に立ちかえり、深刻な市民のくらしに寄り添い、住民福祉の向上を第一義の任務とする地方自治体の役割をしっかり堅持されること、憲法に規定された戦争の放棄・生存権その他全ての基本的人権を尊重し、遵守する市政運営を行われるよう求めるものです。
来年度予算編成にあたっては、市民生活を応援する思い切った施策を打ち出すとともに、それに伴う予算措置を要望します。
以上の趣旨を十分踏まえられ、各部局にわたる要望について来年度予算に反映して頂くよう要望書を提出します
重点要求
●下水道使用料を引き下げる。
●子ども医療費助成制度は、所得制限なしで高校卒業まで無料にする。
●少人数学級を実施拡大する。
●学校給食費を無料にする。中学校給食は全員喫食、自校調理方式に改める。
●大学奨学金の利子補給制度を創設する。
●認可保育所を増設し、未利用児童を含む待機児童の解消をはかる。
●知的障害者の入所施設をつくる。
●おでかけ応援バスを障害者・妊婦にも適用する。
●介護予防・日常生活支援総合事業の実施に際して、要支援者を介護保険サービスから除外しない。必要な方には専門的介護保険サービスを提供する。
●住宅リフォーム助成制度を実施する。
●泉北高速鉄道については、料金のさらなる引き下げを行う。通勤定期については割引率を引上げること、また高齢者割引をはじめとした負担軽減を行う。株式の売却益については、地元への還元を求める。
市長公室関係
(1)住民自治を促進するため、予算や人事面を含む区長権限を強化する。
(2)区民評議会については、市民の声が市政に反映され、活かされるよう区民参加の仕組みと運営を充実する。
(3)真の地方分権がすすむよう、事務権限委譲に見合う税財源を国に求めるとともに、国・府の不当な圧力に屈することなく自主的な姿勢を貫き、市民に役立つ地方自治体行政を行う。
(4)「大阪都構想」「副首都構想」「道州制」に反対する。
危機管理室・消防局関係
〈危機管理・震災対策について〉
(1)災害に強いまちづくりを市民とともにすすめる。
- 東日本大震災、熊本地震を教訓にし、域防災計画を常に点検するとともに受援体制を強化充実する。
- 消防力の充実を急ぐ。ポンプ車、はしご車、予防要員、警防要員等を増員し、早急に国基準を達成する。消防水利の充足率を高め、耐震性防火水槽は250mメッシュでの整備をはかる。
- すべての市所有建築物、公共施設の耐震改修を早期に完了する。幼稚園や保育所、障害者・児施設、老人施設など災害弱者の施設の耐震診断と耐震化を早急に完了する。
- 耐震診断補助制度を更に拡充する。個人住宅やマンションなど共同住宅の耐震改修の補助制度、無利子・長期返済の利用しやすい融資制度を創設する。
- 災害時の二次避難所・福祉避難所をより充実する。
- コンビナート地域の地震・防災対策・津波対策を抜本的に強化する。
- 障害者も地域の避難訓練に参加できるネットワークをつくる。
- 災害時要援護者支援の手引きを作成する。
- エレベーター閉じ込めに備え防災エレベーター椅子やEVAC CHAIRの設置を進める。
- ネットカフェ、個室ビデオ店、雑居ビルなどに対する火災予防のための査察、指導を強化する。
- 火災報知器設置の補助制度を設ける。
- 土砂災害への対策を早急に講じる。
総務局関係
〈青年問題について〉
(1)選挙管理委員会は、教育機関との連携で小・中・高校生等学生への主権者教育、啓発活動を強める。
(2)市の各種審議会、委員会などに青年の代表を加え、発言の機会を増やす。
(3)非正規雇用が5割近くなるなど深刻な若年者の雇用問題解決のための抜本的対策を国に求める。ジョブステーションを周知し、体制強化をはかる。
(4)スポーツ、文化活動など青年の多面的な要求に応える施設を建設する。
(5)ひきこもりへの取り組みを強化する。
〈指定管理者制度について〉
(1)指定管理者制度に移行した市施設について、公共性やサービスの確保、個人情報の保護状況等を調査し、直営に戻すことも含め検討する。
(2)選定委員会には、公募制による住民代表・専門家・弁護士などを入れる。安易に指定管理にしない。指定管理者には市長、議員等と関係深い団体の選定はしない。
〈人事・給与制度について〉
(1)市職員の賃金決定に対する国などの不当な財政制裁に反対し、国の介入を許さず、労使合意にもとづいた自主的な賃金決定を行う。市民サービスの低下につながる職員の削減はしない。正規職員を基本とし、職員数は事務事業量に見合ったものに改善する。
(2)人事評価制度は中止する。
(3)市の機構における女性職員の管理職への登用を積極的に行う。
〈付属機関について〉
審議会等の委員の構成は市民各層の広範な声を反映できるものにし、運営を民主的に進める。委員の兼務はできるだけ少なくする。女性委員の選任は、「堺市男女平等社会の形成に関する条例」に定める4割以上を早急に実現する。青年や公募市民も入れる。
〈外郭団体その他について〉
(1)設置目的を含め存在意義があるかどうかを改めて検証する。幹部職員の退職受け皿(天下り)をやめる。
(2)補助金や運営をきびしく見直す。役員の数の縮減と給与・退職金の公表と適正化を行う。
(3)オンブズパーソン制度を導入し、情報公開・説明責任・市民参画を徹底する。
(4)市の公益通報者保護制度の内容を広く知らせ公益通報を促す。
(5)マイナンバー制度の廃止を国に求める。市独自の利用拡大をしない。個人番号カードの発行を希望しない市民にも行政サービス等で不利益とならないようにする。
(6)自衛隊からの名簿の提供依頼があっても、名簿提出は行わない。
財政局関係
〈市民本位の財政にするために〉
(1)公共事業は大型プロジェクトではなく生活関連型・福祉型で進める。
(2)公共の責任で実施すべき業務については、営利企業に提供しない。
(3)「小規模工事契約希望者登録制度」を創設する。
(4)「公契約条例」を制定し、労働者が受け取る最低賃金を1000円以上とする。
(5)地方交付税の税財源の調整機能の堅持と共に保障機能の維持・制度拡充を求める。
(6)政府に国庫補助負担金の廃止・縮減をやめるよう求める。地方分権が実質的に進むよう事務権限委譲にふさわしい税源移譲を国に求める。
(7)税や国保料など公共料金の滞納及び滞納延滞金については本人の実情をよく聞き、実情を無視した取り立ては行わない。その立場を各区役所窓口に周知し、強く指導する。
市民人権局関係
(1)住民票などの事務を取り扱う「市民サービスコーナー」を、住民が多く利用する鉄道駅周辺や公共施設等に設ける。
(2)防犯灯については必要なすべての場所に市の責任で早急に整備し、電気代などの維持費は全額補助にする。
〈区役所・区行政について〉
(1)区役所への権限と財源の移譲をさらにすすめる。
(2)区長裁量の予算枠を拡充し、区域まちづくり事業及び区局連携事業を拡充する。
(3)区役所の窓口業務は民間委託しない。
〈男女平等の実現について〉
(1)雇用の規制緩和に反対し、人間らしい働き方ができるよう規制強化することを国に求める。
(2)男女賃金格差の是正など雇用における女性差別の解消のために「男女雇用機会均等法」の抜本改正を国に求める。企業に、雇用に関するすべての面で「男女平等」をつらぬくよう求めるとともに国に対して指導の強化を求める。
(3)労働基準法に「母性保護規定」を復活させる。母性保護の諸権利の完全行使や長時間過密労働の規制、労働条件の改善をはかるよう、労働基準法の抜本的改正を国に求める。
(4)女性差別撤廃条約にもとづき、雇用、労働条件と職業・家庭生活のすべての面での男女平等の機会と権利の保障のために、女子差別撤廃条約選択議定書を批准することを引き続き国に求め、市として必要な調査、啓発を行う。
(5)育児休業制度については、休業中の賃金保障や代替要員の確保、現職復帰の保障、不利益あつかいの禁止などが徹底されるよう、市として啓発・指導を行う。
(6)パート労働者が安心して働けるよう、一般労働者との不当な格差をなくし、雇用の安定、賃金、労働条件、福利厚生の改善をはかるための調査・啓発を行う。
(7)再就職を希望する女性のための再就職セミナー開催など職業教育を一層推進する。
(8)堺市女性センターは、多くの女性の意見、希望を取り入れた管理運営をはかり、夜間の開館も行う。駐車場の整備をはかる。女性が気軽に利用できる施設を各区に設置する。
(9)家族従業員の働き分を認めない所得税法第56条は事業主の妻や家族従業員の自立と人権の侵害につながり、時代の流れにそぐわないものであることから、その廃止を国に求める。
(10)女性への暴力を防止するとともに、保護・救済の施策を充実する。女性に対する暴力の根絶に関する法律の改正を国に求める。
〈平和と民主主義〉
(1)安全保障関連法制(戦争法)の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を国に求める。
(2)自衛隊の全ての海外派兵を中止し、南スーダンから即時撤退するよう国に求める。
(3)国民の知る権利を脅かし、拡大解釈でいくらでも秘密の範囲を広げられる危険な「特定秘密保護法」や、「盗聴法」は廃止するよう国に求める。
(4)「非核平和都市宣言」「非核日本宣言に関する決議」にもとづいて、非核平和行政を市の重点施策として位置づけ、平和予算を組み、次のような積極的な施策を実施する。
- 非核平和都市宣言に関する決議の入った宣言塔、懸垂幕、決議文の入ったポスター、宣言パネルやモニュメントなどの公共施設、主要道路等への設置を増やす。
- 「平和と人権資料館」については、堺と世界の戦争と平和、核兵器に関する資料などを広く収集・展示・保存するなど内容をさらに拡充するとともに、市民が利用しやすいように開館時間を延長する。
- 非核平和のつどい、反核平和コンサート、広島市巡回原爆展、広島・長崎への「平和バスツアー」などの行事を企画、主催するとともに、「平和市民講座」を開催する。
- 市民が行う平和・非核の運動の取り組みに積極的な協力をするとともに、「平和・非核推進事業補助要綱(仮称)」をつくり補助、助成をする。
- 7月10日の「堺大空襲」を記念し、その日を堺の「反戦・平和の日」とする。
- 被爆者援護法を国家賠償の立場にたったものに改正するよう国に働きかけるとともに、市として「被爆者語り部活動」などへの支援をする。
(5)関西国際空港、大阪湾、堺泉北港などの軍事利用に反対する。非核証明のない艦船の入港を認めないよう大阪府に求める。
(6)市民に「日の丸」「君が代」の押し付けをしない。
〈人権について〉
(1)LGBTなど性的マイノリティーの専門相談窓口を設置し、対応においては必要な配慮を行う。また必要な施策を実施する。
(2)本邦外出身者に対する不当な差別的言動(ヘイトスピーチ)を許さない条例を制定する。
〈消費者保護対策〉
(1)製造物責任法(PL法)の充実を国に求める。
(2)多発する消費者問題に的確かつ迅速に対応できるものとするため、正規の専門職員を配置する。
(3)悪徳商法や振り込め詐欺・なりすまし詐欺などから市民の生活を守るため、市民への啓発を一層強めるとともに、相談窓口の体制を充実し、救済対策を強める。各区役所で定期的な出張相談を実施するなど、消費生活相談を充実する。
(4)食品添加物の規制緩和の中止、輸入食品の検査体制の強化を国に要求する。市民に食品添加物について広報などの啓発活動を強化し、市としても検査体制の充実をはかる。
(5)遺伝子組み換え食品の表示義務付けは実際の10%にすぎず、国に残りの食品にも義務づけるよう求める。
(6)悪質商法、振り込め詐欺などから高齢者の消費者被害防止策を行う。
文化観光局関係
(1)市民の自由で自主的かつ主体的な文化芸術活動を充実させるために、堺市としての支援策を強化する。
(2)「堺市民芸術文化ホール」については、優れた芸術を創造、供給、鑑賞にとどまらず、交流、学習・研究・研鑚の場としての機能を満足させる総合的な施設とする。また、堺東駅、堺駅からのアプローチについては、安全・快適・賑わいを創出する。
(3)堺市立美術館を建設する。堺市博物館のリニューアルを計画的に進める。
(4)市民スポーツ振興のために、スポーツ施設、設備の整備、指導者の育成、クラブや団体への助成などを「市民スポーツ推進計画」に基づき、予算措置を講ずる。
(5)Jグリーン堺の運用は、土日・祝日でも市民が利用しやすいものにする。
(6)堺の伝統産業のすぐれた技能の継承発展、継承者の育成のための対策を抜本的に拡充する。堺市の伝統産業を総合的に展示・紹介する観光の拠点にふさわしい施設にする。
環境局関係
〈地球温暖化防止対策を進めるとともに、原発に頼らないエネルギー政策をすすめるよう国に求める〉
(1)原発の再稼働を許さず、太陽光発電を始め、自然エネルギー利用への転換で原発ゼロにする。
(2)最大の温室ガスの排出源である産業界に対して実効性のある具体的な温室ガス削減策を促進するよう国に求める。
(3)省エネ設備の導入や資源リサイクル、未利用エネルギーの活用をすすめ低炭素化社会に向けた施策の充実をはかる。
〈アスベスト対策〉
(1)アスベストを取り扱った全ての労働者と退職者とその家族、下請け等・事業者等に対し、健康や労災などの相談窓口や相談体制を設ける。
(2)市内のアスベストを使用した建物、施設、設備等の解体、更新時の飛散防止策の徹底や健康被害防止等の対策を講じる。
(3)市有建設物についてアスベストの使用実態を点検、調査しその結果を公表すると共に除去対策を講じる。
〈公害環境対策の強化〉
(1)PM2.5の基準を厳しくするよう国に求める。
(2)大気汚染、騒音などの環境測定局を増設し、測定データを遅滞なく広報する。汚染原因の究明と発生元への指導を強化する。
(3)ダイオキシン発生の未然防止と大幅な削減対策の強化を国に求めるとともに、堺市としてダイオキシン削減対策を強化する。
- ダイオキシン類の規制基準を欧米なみに強め、それにもとづく排出ガス、排水、土壌の環境基準の強化、塩化ビニール製品などの表示・回収・リサイクル・リユースの促進など、多面的な技術開発の促進などを国に求める。
- 塩化ビニール製品、塩化プラスチックのゴミについての分別収集をする。分別収集の品目をさらに増やし、一層の減量化をはかる。
(4)このたびの並松公園のような土壌汚染を二度と起こさないために、有害物質を取り扱う事業所に対する管理・監督・指導体制を強化する。
(5)廃棄物の発生を抑制する立場から、製造者、事業者等の責任を明確にするなど「家電リサイクル法」「容器リサイクル法」など一連のリサイクル法の改善を国に求める。
(6)廃棄物の不法投棄の規制強化と原状回復の強化のために、排出事業者責任と拡大生産者責任による新たな廃棄物処理制度の創設を国に求める。
(7)市の施設のゴミは、一般家庭ゴミと同様に分別する。
(8)粗大ゴミのふれあい収集を生活ゴミにも広げ、対象要件を緩和する。
(9)生活ゴミ収集の有料化はしない。
健康福祉局関係
〈生活保護及び、生活支援策の充実〉
(一)生活保護
(1)「自己責任」論など憲法第25条の生存権を大きくゆがめる生活保護法の改悪に反対する。
(2)生活保護バッシングにくみせず人権擁護の立場をしっかり守る。水際作戦と呼ばれる申請権を無視した窓口対応をしない。被保護者の実情と気持ちに寄り添った対応をし、扶養義務の強要など人権侵害はしない。
(3)就労指導は能力を無視したやり方や本人の意志を無視する強要はしない。
(4)ケースワーカーを国基準の80ケースに1人となるよう正規職員で増やす。
(5)医療券については、市議会の意見書決議にもとづき、市独自で健康保険証と同様の「医療証」を発行する。
(二)生活支援策
(1)市独自のかけこみ緊急融資制度をつくるとともに、小口更生資金および小口生活資金は保証人を不要にする等貸付条件を緩和し、貸付限度額を引き上げ、迅速に貸し付ける。小口生活資金については小口更正資金同様に生活援護課で受け付ける。
(2)高齢者・障害者世帯・母子、父子家庭などの生活困窮者に対し、上下水道料金などの公共料金に「福祉減免制度」を創設する
〈介護保険制度と、高齢者施策の充実〉
(1)介護保険サービスから要介護1・2を除外しないよう国に求める。
(2)介護予防・日常生活支援総合事業の実施に際して、要支援者を介護保険サービスから除外しない。必要な方には専門的介護保険サービスを提供する。
(3)介護保険料を引き下げるよう国に求める。利用料の引き上げをしないよう国に求める。
(4)介護保険料の引き下げを実施するとともに、保険料の軽減については国の三原則にとらわれることなく拡充をはかる。また、利用料については市独自の軽減制度を早急に創設する。
(5)認知症の介護認定について、身体機能だけの表面的な評価がなされ生活困難な実態が反映したものになっていない。これを改善する。
(6)特別養護老人ホームの整備の促進を国に要望する。市として、特別養護老人ホームの待機者を解消するために、必要に見合った建設計画を立て、速やかに実施する。
(7)療養型病床群を減らさず、国に拡充を求める。
(8)高齢者の住宅改修事業における助成は、ニーズに対応できるように改善する。
(9)施設利用から地域密着型サービスへの移行に伴い、訪問看護が必要な人に複合型サービスが提供できるように充実させる。
(10)日常生活用具や補装具の自己負担を軽減するとともに、支給基準の運用は利用者の実態を充分に配慮し柔軟に対応する。
(11)配食サービス及び訪問理美容サービスを市独自で実施する。
(12)「のびやか健康館」の高齢者や障害者の利用料を軽減する。
(13)福祉・介護オンブズパーソン制度をつくり、利用者保護につとめる。
(14)施設職員の給与など労働条件の改善を国に求める。
(15)認知症サポーターを飛躍的に増やし、地域での認知症を支えるネットワークをつくる。
(16)小規模多機能型施設は現場の要望に促し、補助を拡充する。運営についても支援策を講じる。
(17)後期高齢者医療制度の廃止を国に求める。
〈障害者施策の推進〉
(1)障害者地域生活支援拠点を、全行政区に1ヵ所ずつ整備する。
(2)ロングショート状態にある障害者の実情を、一刻も早く解消するために重度の知的障害者の入所施設を整備する。グループホームを充実し、知的障害者の受け入れを可能にする体制を整備する。またケアホームを整備する。
(3)障害者総合支援法の応益負担制度をあらため応能負担にするよう国に求める。
(4)福祉サービスや自立支援医療の一割負担に対して、市独自の軽減策を行う。
(5)障害児通園施設については、措置制度にもどし、応益負担を止めるよう国に求める。市においては、早期発見・早期療育の基本理念が遂行されるよう公的責任においてサービス水準を向上させる。
(6)就労訓練給付を早急に具体化する。市内各企業に対し、障害者の法定雇用率を守らせる。未達成企業に課せられる納付金の大幅な引き上げを国に求めるとともに、未達成企業の企業名を公表する。
(7)就労支援の体制を強化する。
(8)地域生活支援事業の移動介護については、利用実態を踏まえ、無料と1割負担の時間数をそれぞれ拡大する。
(9)自立支援の認定調査の項目を、障害者の実態に即した内容に変更するよう国に求める。
(10)自立支援法制定の際に通所施設など社会福祉法人の大幅な減収がなされたことについて必要な支援策を行う。
(11)ショートステイは緊急時のニーズに見合うようベッド数を整備する。
(12)すべての障害者に対する年金制度や医療制度の改悪を行わず、拡充するよう国・府に求める。
(13)中途失聴者のための要約筆記者の派遣制度をつくる。
(14)中途障害者が何歳になっても安心して通える公的施設を整備する。再就労できる制度と施設の確立をはかる。
(15)手話言語条例は、実効性のあるものとする。
(16)手話通訳者を市役所や区役所など必要な公共施設に専任の常勤手話通訳者として複数配置する。緊急時に手話通訳者の派遣ができるよう体制を整える。
(17)補装具の1割負担に対する市の軽減策をより拡充する。
(18)障害児の放課後対策事業を拡充する。
〈市民の健康を守り、医療体制の充実〉
(一)国民健康保険制度の改善について
(1)自治体独自の助成制度に対する国のペナルティーは廃止するよう国に求める。
(2)国に対して、国保財政の悪化の根本原因となっている国庫負担率の引き上げを求める。
(3)本市の国保会計は黒字基調、黒字構造にあり、基金も活用し保険料を大幅に引き下げる。
(4)保険料滞納への対応については、社会保障の立場にたち、加入者の生活実態を十分に把握し、実情を無視した取り立てを行わない。安易な資産調査をしない。差し押さえは悪質者を除き特に慎重に行う。
(5)短期保険証、資格証明書の発行をやめ、医療を受ける権利をすべての被保険者に保障する。
(6)保険料の減免基準を拡充する。一部負担金減免制度の適用条件をさらに緩和する。
(7)傷病手当、産前産後休業補償制度の新設を国に求める。
(8)国保の人間ドックに緑内障や肺ガンなどの検査項目を加える。脳ドックを実施する。
(9)葬祭費の給付額を増やす。
(10)国民健康保険の広域化においては府内統一保険料とはしない。市町村独自の保険料減免規定や一般会計への基準外繰り入れを認めるよう府に求める。
(二)医療体制と健康施策
(1)医師・看護師不足の解消を国に求める。
(2)堺市立総合医療センターは、市民の医療要求に応えるものへさらに充実する。
- 精神科を新設する。
- 専任の手話通訳者を配置し、ろうあ者に対する対応を強化する。
- 障害者の拠点病院に位置づける。
- LGBTなど性的マイノリティーの方への配慮を行う。
(3)保健センターの保健師の訪問指導および、看護師の訪問看護(妊婦・乳幼児・老人・障害者・難病患者などへの)を充実させ、地域の健康管理体制を強める。
(4)母子保健健診の充実をはかり、障害乳幼児の早期発見と早期療育につとめる。
(5)子宮ガン検診を20歳から毎年受診できるようにする。
(6)乳ガン検診(マンモグラフィー)受診対象年齢を30歳以上とし、毎年受診できるようにする。
(7)ガン検診率の向上のため、啓発の強化と総合ガン検診を充実させる。
(8)特定検診と市民検診を無料にする。特定検診に緑内障、前立腺がんの検診を加える。
(9)骨そしょう症の検診料金を引下げ、医療機関でも受診できるようにする。
(10)精神障害者が安心して福祉サービスが利用できるよう低所得者に対する市独自の軽減を行う。ヘルパー派遣や、ショートステイ、グループホーム、デイサービス、デイケア、リハビリなどの拡充をはかり、精神障害者の社会的自立に向けた支援策を総合的に推進する。
(11)精神障害者保健福祉手帳制度を他の障害者施策と同様にするよう国に求める。相談員を増員し、保健センターにおける相談機能を充実する。
(12)こころの健康センターについては、センター機能を充分に発揮できるよう、医師、精神保健福祉士、臨床心理技術者、保健師、看護師、作業療法士などの職員体制を確保する。
(13)深刻なアトピー性皮膚炎に対し、以下の対策をすすめる。
- 食品の安全性や大気汚染など、市民の健康を損ねる環境の改善につとめる。
- 医療費への助成や、学校、保育所・幼稚園(私立の施設も含め)で除去・代替給食が実施できるよう専門職員の配置も含め補助する。
(14)HIV対策について堺市独自の取り組みをすすめる。夜間休日の検査体制を拡充し、堺市立総合医療センターでの治療体制の確立に取り組む。研究体制の確立や専門医の育成・教育・啓蒙などにつとめる。
(15)公害患者の不当な等級切下げをやめ、主治医の診断および意見を尊重する。また、療養など健康回復事業を充実する。
(16)エボラ出血熱、デング熱や新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、サーズ(重症急性呼吸器症候群)、西ナイル熱についてなど感染症対策の強化を国に求めるとともに、市は市民への啓発を強化し、保健所・医療機関における対応の充実をはかる。同時に、必要なワクチンの確保を行う。
(17)結核患者の多発化を重視し、検診を含め対策を強化する。
(18)危険ドラッグ規制を強化する。
子ども青少年局関係
〈保育行政、子育て支援の充実〉
(一)子ども・子育て支援新制度実施にあたり
(1)公立保育所の民営化はしない。公立の幼保連携型認定こども園においては、保護者の声をよく聴き、保育の質を確保、向上させること。
(2)堺市が認定した全ての子どもについて、堺市が責任をもって利用調整を行う。
(3)堺市単独補助(1歳児5対1・看護師等雇用費分・障害児加配・地域活動、子育て支援事業費分など)は保育の質を担保するため現行通り続ける。
(4)障害のある子どもが保育所(園)から排除されないように「堺市における障害児保育の基本姿勢」に則って集団保育をする。
(5)同じ階層において短時間認定(8時間)の保育料に上乗せ・追加徴収する場合は、標準時間認定(11時間)の保育料を超えることがないようにする。
(6)待機児童・未利用児童の解消は認可保育所の整備を基本にする。
(7)小規模保育所の整備にあたってはA型を堅持する。
(8)家庭的保育事業は保育事業者がすべて保育士資格保有者とする。
(二)保育
(1)民間保育園の保育士の処遇を改善するよう国に求める。また、堺市独自に処遇改善に取り組む。
(2)すべての公立の認定こども園において、ゼロ歳児からの保育や一時保育を実施する。
(3)延長保育の充実や休日・夜間保育などの特別保育を促進する。必要な職員の増員などにより障害児保育を充実する。
(4)民間保育園の建替え及び、大規模修繕に対する補助制度を拡充する。
(5)給食はすべての保育園で現場調理することを基本とし、食物アレルギーの子どもたちのための除去食や代替食を実施するなど、アレルギー児対策を行う。除去食・代替給食を実施している保育園に給食費の補助や調理員の増員を行う。
(三)子育て支援
(1)児童扶養手当制度の、充実・改善を国に求める。
(2)子育て支援センターを早期に全中学校区に整備する。
(3)病児・病後児保育事業については、当面各区に1ヵ所整備する。
(4)子ども相談所については、児童虐待への適切迅速な対応や、障害児の療育相談、また子育て支援などにきちんと即応できる職員体制を確保する。家庭児童相談室の体制を強化する。
(5)「子育て応援団」制度について、外出先でオムツ替えや授乳ができる場所を増やすなど拡充する。
(6)不妊治療助成制度の拡充と不育治療の助成制度を充実する。
(7)産後ケアセンターを充実する。
(8)子ども医療費を18歳まで所得制限なしで無料にする。
産業振興局関係
〈中小企業対策の抜本的強化〉
(1)中小企業振興条例を制定し、実効ある予算を組む。
(2)小規模企業振興法(小規模基本法)に基づき、それに相応しい体制で施策展開する。
(3)市内中小商工業の全事業所を訪問し、実態を把握するとともに行政への要求を直接聞きとり、期待に応えた実効ある対策を行う。
(4)下請け中小企業への一方的な単価切り下げ、買いたたきなどの苦情を受けつける相談窓口を設置し、相談者が特定されないことを前提に親企業に是正を要請する。
(5)建設業界における下請け代金の不払い問題についての相談窓口を設け、公共事業において建設業法にもとづく元請け企業が倒産した場合、下請け企業への未払い金の支払い等支援措置を講じる。
(6)大阪府信用保証協会の斡旋方式を復活させる。
(7)堺の伝統産業のすぐれた技能の継承発展、継承者の育成のための対策を抜本的に拡充する。伝統産業会館を物販だけでなく総合的に展示・紹介する。
(8)「大型店」出店を規制するとともに商店街・中小商業への支援を抜本的に強化する。
(9)住宅リフォーム助成制度を創設する。
(10)「小規模工事契約希望者登録制度」を創設する。(再掲)
(11)「公契約条例」を制定し、労働者が受け取る最低賃金を1000円以上とする。(再掲)
〈雇用・労働〉
(1)労働者派遣法に反対し、一時的・臨時的雇用を本来の雇用形態にするよう、抜本見直しを国に求める。
(2)労働(パートを含む)相談窓口体制を拡充する。
(3)サンスクエア堺の開館時間を午後10時まで延長する。
(4)退職強要やサービス残業の押し付け、偽装請負など企業の違法行為を一掃するよう国に求める。解雇・雇い止めさせないよう国に求める。
(5)最低賃金を時給1000円以上へ引き上げるよう国、府に求める。
(6)非正規雇用が5割近くなるなど深刻な若年者の雇用問題解決のための抜本的対策を国に求める。ジョブステーションを周知し、体制強化をはかる。(再掲)
(7)「ブラック企業規制法」を制定するよう国に求める。
(8)男性の育児休業・介護休業制度の広報・周知につとめる。堺市としても、休暇取得率の向上策を推進する。
(9)妊娠・出産を理由に退職を促されることがないよう、堺市が先行して対策を講じる。
〈都市農業及び漁業の振興と食の安全〉
(1)TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を批准せず、離脱するよう国に求める。
(2)農業を国の基幹産業と位置づけ、農業の再建と発展、食料自給率の計画的向上を国が責任を持ってすすめるよう求める。
(3)WTO(世界貿易機関)農業協定を改定し、米を輸入自由化の対象から外すとともに、実効ある輸入規制をはかるよう国に求める。
(4)政府に農産物に対するセーフガードの機敏な発動を求める。
(5)一部の大規模経営に農政の対象を限定することなく、家族農業を守り育成するよう国に求める。
(6)市民の生命と健康を守る立場から、食の安全に対する法整備の強化とともに、輸入食品の検査体制の強化を国に求める。外国産牛は、日本国内と同水準の体制(危険部位の除去・BSE検査体制など)を求めるとともに、安易な輸入をしないよう国に求める。
(7)生産緑地の指定を引き続き行い、当面、営農を継続する宅地化農地についても生産緑地と同様の施策を講じる。
(8)学校給食に使用するなど、農産物の地産地消の拡充につとめる。
(9)酪農、果樹栽培などへの支援を強める。
(10)堺・泉州の漁業振興を支援する。漁港に滞留するゴミを撤去する。
(11)市民農園の増設と民間や農協の市民農園の開設、運営を支援する。
建築都市局関係
〈住宅〉
(1)市営住宅について。
- 入居収入基準を引き上げる。
- 市営住宅の入居権承継について夫婦間に限るなどの制限をしない。
- 市営住宅の戸数を増やし希望者に応えるようにする。
- 市営中層住宅へのエレベーターの設置、一部屋増築、二戸一改造など質的向上を促進する。
- 居住者の要望に基づき、ピッキング対策など防犯対策を強化する。
- 障害者・老人向けなど福祉住宅単身者向けを増設する。
- 家賃減免制度を改善し、手続きを簡素化する。
(2)新婚世帯への「家賃補助制度」を創設する。
(3)老朽化の著しい木造住宅密集地域の住環境を改善するため、木賃住宅地区制度を抜本的に改善するよう国・府に要求するとともに、地域住民の生活権、居住権を守ることを基本にした整備計画を住民参加で推進する。建て替え後にそのまま居住できるように新規家賃との差額分の家賃を補助する制度を確立する。当面、現行の家賃補助制度を抜本的に改善するとともに、従前居住者の為の受け皿住宅を建設する。
(4)民間分譲マンション居住者への援助を強める。
- マンションの大規模修繕の調査費用補助制度をつくる。
- マンションなど共同住宅の大規模修繕が適切に実施できるように、堺市で融資斡旋や利子補給による支援措置の創設を行う。
- マンションの耐震診断補助制度の拡充と耐震改修(設計・工事)補助の増額をする。
- エレベーター閉じ込め対策の「防災エレベーター椅子」設置への補助制度をつくる。
〈道路・交通〉
(1)すべての駅にエレベーター及び可動式ホーム柵を設置し、バリアフリー化計画を促進する。
(2)無人駅をなくすよう鉄道事業者に働きかける。
(3)バス網の充実。
- 鉄道駅舎より半径800m、バス停より半径300mとしている「交通利用圏域」を交通弱者に配慮して見直すとともに、交通空白地域に対し、既存バス路線の拡充と乗り合いタクシーの充実及び新たなコミュニティバスを検討する。
- ノンステップバスの増車を事業者に求める。
- バス停留所にはベンチ、雨除け上屋根を設置する。
(4)主要な交差点に音響信号を設置する。「弱者感応式送信器」に対応する受信器を公共施設に設置する。
(5)視覚障害者が幅の広い道路の交差点や踏切を安全にわたることができるように「エスコートゾーン」を設置する。
(6)防犯灯、生活道路照明灯、街路灯を増設し、夜道の安全を確保する。生活道路照明灯については、交差点以外でも必要箇所に設置する。
(7)自動二輪(バイクを含む)の駐輪場を設置する。
(8)泉北高速鉄道については、料金のさらなる引き下げを行う。通勤定期については割引率を引上げること、また高齢者割引をはじめとした負担軽減を行う。株式の売却益については、地元への還元を求める。
(9)老朽化した歩道橋については点検修理をすすめる。また歩行者の安全確保を前提に、現在の利用状況などを鑑み、撤去し横断歩道への転換計画をもつ。
〈まちづくり〉
(1)開発指導要綱については規制を強化し、住環境を守ることができる内容にする。
(2)地区計画・建築協定など住民参加のまちづくりを積極的にすすめる。
(3)泉北ニュータウン再生にあたっては、住民の意見を反映し、大阪府に開発者としての責任を果たさせる。生活道路の舗装、補修や公園の維持について特別な手立てを講じる。
建設局関係
〈公園・緑地〉
(1)既存公園の整備を行うとともに街区公園、近隣公園、地区公園、運動公園などについて、計画的に整備する。
(2)既設公園のトイレの洋式化とバリアフリー化をはかり、手洗い場、時計、照明などを整備促進する。
(3)子どもたちがいつでも気軽にボール遊びができるよう既設の公園を含め整備する。
(4)遊具の安全性の確保につとめる。老朽化した遊具は取り替える。
(5)市管理の公園等にバスケ用ゴール(スリーオンスリー)、スケートボード、BMX(バイシクルモトクロス)等の設備を設置する。
(6)フットサル競技ができる施設整備を促進する。
(7)パークゴルフができる施設をつくる。
(8)金岡公園の公園事務所を復活する。
(9)泉北ニュータウン再生にあたっては、公園の維持・管理について特別な手立てを講じる。
〈災害の防止、治水・浸水対策〉
(1)老朽溜池の改修をすすめる。
(2)大和川、東除川、西除川、石津川などについては、水害、高潮、土砂災害対策として、国・府に整備の促進と責任ある管理体制を要求する。
(3)西除川、狭間川などの溢水河川について抜本的改修を早期に完成する
〈踏切の改善・生活道路・自転車〉
(1)JR阪和線、高野線の立体化をはかり、開かずの踏切を解消する。当面、各踏切の安全を確保するため歩道の整備をはかる。
(2)生活道路の舗装、補修については、予算を大幅に増やす。
(3)幹線道路の横断歩道など、路面表示の予算を増やし補修する。
(4)市営駐輪場の増設をはかるとともに屋根を設置する。
(5)自転車道(専用)、自転車レーン、歩道の視覚分離を整備促進し、自転車利用者と歩行者の安全を守る。
(6)コミュニティーサイクルについては、自転車台数やポートを増やすなど充実をはかる。
(7)泉北ニュータウンについては、生活道路の舗装、補修について特別な手立てを講じる。
上下水道局関係
(1)下水道事業の各種運営については外部委託をしない。
(2)上下水道料金を引き下げる。上下水道料金に「福祉料金制度」や「減免制度」を設ける。福祉施設に対する料金の減免制度を実施する。
(3)借地借家の汚水桝設置は、所有者の承諾印受領を含め市の責任で行う。
(4)公共下水道処理区域の浸水防止のため、ポンプ場の新増設とバイパス幹線施設や地下貯留槽の建設などを促進する。
(5)上下水道の管きょを点検し、老朽管を計画的に入れ替える。
教育委員会関係
〈子どもたちの健やかな成長発達を保障する教育の推進〉
(1)憲法に基づき、豊かな学力をはじめとする人格の完成をめざす教育諸条件の整備につとめる。
- 国に対し、教職員定数増と少人数学級実施拡大を強く求める。また堺市については、来年度の権限移譲をふまえ小学校3年生以上への実施を計画的に進める。
- 義務教育費国庫負担金制度の改悪に反対し、学校予算を増額する。義務教育無償の原則を守って、保護者負担の軽減をはかる。また私立学校園への助成金の削減に反対し、国、府に対し増額を求める。
- 教職員の新規採用を増やし、定数内講師比率を下げる。
- 全国学力・学習調査、堺市の「学びの診断」は本来の学校教育を大きくゆがめており、これらのテスト実施の見直しを行う。さらに、府の「チャレンジテスト」の実施は競争をあおり、テスト結果で内申点が決まり学校や地域間の格差と混乱を生じさせることになる。「チャレンジテスト」については、府に対し実施の中止と撤回を求めること。
- 中学校の部活動についての予算を増額し、保護者の負担軽減を行う。また、生徒の安全管理などが的確に行えるとともに、教職員の過重な負担とならないよう実態に合った人員の配置を行う。同時に、部活の日数や時間などが適正に行われ教職員の負担を軽減するようにする。
- 養護教諭の配置については、児童・生徒800人以上の複数配置の基準を見直し、実態に合った配置を行う。
- 小・中学校の芸術鑑賞等に対し補助を行う。
- 市立学校すべての学校図書館に専任の図書館職員(学校司書)を配置する。早期に、文科省が5か年計画で示している2校に1名、週30時間勤務の学校司書を配置する。
- 特別支援学級の設置については、障害別種別に応じた学級設置を行う。重度障害児に対し教員の加配、介助員の増員を行う。
- 堺市立百舌鳥支援学校、堺市立上神谷支援学校のマンモス化の解消のため、増築を行う。百舌鳥支援学校については老朽化対策もあわせて早急に実施する。
- 堺市立百舌鳥支援学校分校を継続させ、重度重複障害児の教育を保障する。
- 公立幼稚園10園を存続し、3歳児の受け入れや給食実施など教育内容の更なる充実をはかる。
- 就学援助金制度の低い基準を是正し、制度の拡充につとめる。中学校給食への適用を行う。
- 大学奨学金利子補給制度を創設する。高校奨学金制度については、これまでのような基金運用事業ではなく、国及び大阪府の給付事業を土台にした本市の独自事業として実施する。
(2)安心・安全な学校にするための環境・条件整備をすすめる。
- 全ての学校園のバリアフリー化、エレベーター設置を計画的にすすめる。
- 学校に内線電話をつける。
- 学校安全管理員を土曜日も終日配置する。また、平日の配置時間を延長する。
- 幼稚園に安全管理員を配置する。
- 児童・生徒用トイレの増設と洋式化等、改修を行う。
(3)学校教育の一環として、安心安全で豊かな学校給食を実施する。
- 委託業者の現場調理員に対しては、学校給食が教育の一環であることなど学校職員として必要な研修を常に行う。
- 献立作成、物資購入については全市一括ではなく、地産池消に基づくとともに地域性や安全性などを重視して行う。
- 空調設備の拡充など施設・設備の改善、充実を現場で働く調理員・教職員、そして児童・保護者の意見を反映させて早急に行う。
- 衛生管理・消毒殺菌については現場の意見を聞いて、より効果的で安全なものに改善する。必要以上の加熱処理や塩素消毒、果物など生ものを出さない行き過ぎた衛生管理を改める。
- 代替給食などアレルギー疾患の児童への対策をすすめる。
- 中学校給食は、学校給食法・食育基本法の趣旨をふまえ、全員喫食・自校調理方式とする。現行の選択制実施においては、利用料、申し込み手続き等の改善をはかり、生徒・保護者の負担軽減に配慮すること。
- 栄養職員の配置基準を見直し増員する。
(4)いじめ・体罰虐待等暴力から子どもたちを守る取り組みをすすめる。
- 個人の尊厳と多様性を尊重する教育を重視し、いじめの根底にある競争・選別・管理主義教育を一掃する。
- 子ども家庭センター等専門機関が十分機能するよう職員の増員を行う。
- 児童生徒の健康診断・身体測定については、健康状況がより正しく把握できるよう学校現場の意見等を聞き、検査項目や測定方法を検討する。
- 適応指導教室を拡充する。
- 学校教育における体罰根絶の取り組みを強化する。
(5)子どもたちの安全でゆたかな放課後を保障する。
- 「のびのびルーム」・放課後児童対策事業について
(ア)公募型プロポーザルによる企業参入をやめ、公設公営で運営する。希望する全ての児童を受け入れ、指導員、施設整備など抜本的な拡充をはかる。
(イ)国の基準(1人当たり1.65㎡、1支援単位40人)を遵守する。また、1支援単位ごとに2人の専任指導員を配置する。
(ウ)保育料を引き下げるとともに、きょうだい減免制度を復活する。
(エ)使用教室が上階にあるなど、不適切な施設・設備の改善をすすめる。
(オ)事業を支える指導員が働きつづけることができるように、雇用条件や待遇を改善する。
(カ)指導員の加配や研修をすすめ、障害をもつ児童の受け入れ体制を整える。
(キ)保護者会を奨励し、保護者懇談会を行い保護者との連携協働を進める。学校・地域関係機関との連携を密にする。 - すべての子どもたちが安全で豊かに過ごせる児童館の設置を計画的にすすめる。
- 特別支援学校のサマーサポート事業の充実をする。放課後支援事業を実施する。
〈学校教育の充実をになう教職員の勤務状況・安全衛生を改善する〉
(1)学校現場の長時間過密労働解消の具体的な対策をたてる。労働安全衛生法に基づき休憩時間休憩場所を確保する。
(2)教職員の健康・安全の保持・向上につとめる。とりわけ精神疾患の予防、治療について具体的な対策をたてる。
(3)学校現場に競争と分断、混乱をもちこむ教職員評価を廃止する。評価の給与へのリンクをやめる。
(4)新任教職員への支援体制を強化する。
(5)定数内教職員は、すべて正規職員を原則とし、当面定数内講師比率の引き下げに努める。
〈文化都市にふさわしい子育て教育環境の整備、社会教育、文化スポーツの充実をはかる〉
(1)プールや図書館など学校施設の市民的活用を広げ、学校開放事業の拡充をはかる。
(2) 風俗営業や遊技産業を規制する。カジノ解禁に反対し、子どもたちのより良い生活環境、教育環境をつくる。
(3)通学路の安全を確保する。
(4)市立図書館の充実をはかる。
- 図書館の運営は、指定管理や民間への業務委託することなく、市の直営で行う。
- 図書館職員として司書の配置を行う。また司書の正規の新規採用を行う。
- 土曜日の夜間と各分館の夜間開館を行う。
- 西区浜寺出張所跡に図書館分館を設置する。
- 「子ども文庫」など、市民の図書館活動への援助を強める。
- 図書館予算を増額する。
- 学習室を設置する。
- 中央図書館の耐震化・建て替えを早期に行う。
(5)市立博物館の予算を増額し、展示室のリニューアル等文化都市にふさわしい役割が担えるよう、人員配置など必要な手立てを講じる。
(6)公民館を増やし、施設設備の充実につとめる。
(7)すぐれた文化、芸術、スポーツの発展・振興にむけ予算を増額し、必要な支援を行う。
(8)北区に文化ホールを建設する。
〈子どもの権利条約を生かす取り組みを進める〉
(1)子どもの人権を守る施策を積極的にすすめるため「子どもの権利条例」を制定する。
(2)「子どもの権利条約」を児童・生徒をはじめ広く市民に知らせる。
(3)「子どもの権利条約」にもとづく国内法の整備を国に求める。
(4)児童虐待防止のため、学校園と子ども相談所、家庭児童相談室などとの連携を強化する。
〈人権尊重・平和の教育を推進する〉
(1)学校教育において、平和・人権尊重・男女平等を重視する。戦争の記録や原爆副読本など非核・平和に関する資料・書籍を市立図書館や学校図書館に配架し啓発する。
(2)男女平等、女性の地位向上、性多様性の施策をすすめる。
(3)堺空襲の記録、戦跡などの保存につとめる。
(4)「日の丸」「君が代」の教育現場へのおしつけをやめる。
(5)道徳の教科化を進める国の方針に反対する。
(6)主権者としての人格形成をめざし、地域・学校・社会に関心をもち、学習活動を行う主権者教育に取り組む。
(7)人権教育の名による同和教育をやめる。部落差別の解消にはつながらない「部落差別解消推進法」に反対する。
(8)児童・女性への暴力を防止すると同時に、保護・救済の施策を充実する。(再掲)