インボイス・補聴器補助・国保・介護・軍拡 国への意見書(案)提出 11/29議運 

11月月29日(火)議会運営委員会に市民からの請願・陳情、要望などを受ける中、

国に対する意見書(案)以下の5件を提出しました。

① 消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書(案)

② 加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書(案)

③ 国民健康保険料の大幅引き下げを求める意見書(案)

④ 介護保険制度の改善を求める意見書(案)

⑤ 際限のない軍拡競争を招く軍事費倍増の中止を求める意見書(案)

案文は以下の通りです。

消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 物価高騰が暮らしと営業に深刻な影響を与えている。2023年10月1日に、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除方式としてインボイス制度(適格請求書等保存方式)の実施に向け、昨年10月からインボイス発行事業者の登録申請が開始された。対象となるのは、1,100万人を超えると見込まれ、農林水産業者、俳優や劇団関係者、個人タクシーや軽輸送ドライバー、塾や音楽教師、プロアスリート、シルバー人材センター会員など多岐に上る。

 これまで年間の課税売上高が 1,000万円以下であれば消費税の納税は免除されていたが、インボイス制度の登録事業者になれば売上高にかかわらず納税義務が発生することに加え、発行する請求書の様式変更、システムの入替え、改修など多大な事務、経費の負担が生じることになる。消費税免税事業者はインボイスが発行できないため、課税業者との取引から排除され、廃業を余儀なくされる懸念がある。

 地方自治体もインボイスの発行が必要であるが、そのために新たな行政コストが発生し、自治体業務の効率化や財政健全化にも逆行しかねない。また、システム改修にあたっての地方自治体向けの国庫補助金も現在予定されていない。

 また、公益社団法人であるシルバー人材センターについても会員はインボイスの発行を求められるが、財政の現状を鑑みれば配分金に消費税分を上乗せすることは困難である。

 財務省はインボイス制度の導入で161万人の免税事業者が新たに課税事業者になり、消費税率を引き上げなくても2,480億円の増収になると試算している。同制度の導入は、長引くコロナ禍によって打撃を受けている事業者に追い打ちをかけ、地域経済の再生を阻害しかねない。日本商工会議所や全国中小企業団体中央会、日本税理士会連合会はじめ様々な団体・個人から、制度の廃止や実施延期を求める声が上がっている。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、中小企業・小規模事業者の事業存続と再生、ひいては日本経済振興のため、インボイス制度の実施を中止することを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2022年  月  日

堺 市 議 会

 

加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 加齢性難聴は日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど生活の質を落とす大きな原因になっている。会話することで脳に入ってくる情報が少なくなり、脳の機能が低下し、鬱や認知症につながると指摘されている。

 日本の難聴者率は、欧米諸国と大差はないが、補聴器使用率は低く、日本での補聴器の普及が求められる。

 しかし、日本において補聴器の価格は片耳当たり概ね3万円~20万円であり、保険適用ではないため全額自費となる。身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者である高度・重度難聴の場合は、補装具費支給制度により1割負担、中等度以下の場合は購入後に医療費控除を受けられるものの、その対象者はわずかで、約9割は自費で購入していることから、特に低所得の高齢者に対する配慮が求められる。

 欧米では、補聴器購入に対し公的補助制度があり、日本でも、114の自治体で高齢者の補聴器購入に対し補助を行っている。

 補聴器の更なる普及で高齢になっても生活の質を落とさず、心身とも健やかに過ごすことができ、認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながると考える。

 よって、本市議会は国に対して、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度を創設するよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。

2022年  月  日

堺 市 議 会

 

国民健康保険料の大幅引き下げを求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 国民健康保険は自営業者、年金生活者、非正規雇用の労働者、失業者などが多く加入し、医療保険の中で所得が最も低い反面、一人当たりの保険料(税)は中小企業の労働者が加入する協会けんぽと比べても高く、国保料(税)には家族の数に応じて負担が増える均等割があるため、子育て世帯などでは、国保と協会けんぽの保険料の格差はさらに広がる傾向にある。全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体は、こうした問題を解決するために、「一兆円の公費投入増」(全国知事会)など、国の財政投入により国保料(税)を協会けんぽの保険料並みに引き下げることを求めている。高過ぎる国保料(税)を引き下げ、格差を解消することは、国民健康保険法の第1条に定める「社会保障及び国民保健の向上に寄与する」ことに合致し、国保の持続可能性と医療保険制度全体の安定のためにも重要な課題である。暮らし・福祉を最優先に税財政を見直して、必要な財源を確保すべきである。

 よって本市議会は、次の事項について政府並びに国会に強く要請する。

 1、全国知事会など地方団体も要求してきた公費投入増を行い、国民健康保険料(税)を協会けんぽの保険料並みに引き下げること。

 2、国保料(税)を高くする原因となり、子育て世帯などに過酷な負担となっている「均等割」「平等割(世帯割)」を廃止すること。

 3、生活に困窮する人の国保料(税)を免除する国の制度をつくること。

 4、国保料(税)を滞納した人への医療機関窓口で10割負担となる資格証発行をやめ、滞納者の生活実態をよく聞いて親身に相談・収納活動を行う制度に転換すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

2022年 月 日

堺 市 議 会

 

介護保険制度の改善を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 介護保険は施行22年を経過した。しかし必要なサービスを利用できない実態が広がっており、家族介護を理由とした介護離職も高止まりである。介護事業所では、深刻な人手不足と、低い介護報酬のもとでの経営難が続いており、コロナ禍はこうした事態をいっそう加速させている。

 政府は、2023年通常国会に向けて介護保険見直しの検討を進めている。内容は、利用料2割・3割負担の対象者拡大、要介護1、2のサービス削減、ケアプラン作成への自己負担導入、補助杖などの福祉用具の貸与から購入への変更など、負担増と給付削減となっている。利用者と事業者双方にさらなる矛盾、困難を押しつけるものであり、認めることはできない。
2022年2月から新たな介護従事者の処遇改善が開始されている。しかし全産業平均給与との差を埋めるには程遠い水準であり、ケアマネ、訪問看護師、福祉用具相談員などが対象から外されているなど職場に混乱と分断をもちこむ内容となっている。10月からは介護報酬に組み込み、新たな利用料負担が発生している。また、政府はテクノロジー機器の導入と引き替えに、職員の配置基準を大幅に引き下げようとしている。

 人手不足を解消し、行き届いた介護を実現するためには、介護報酬を引き上げ、処遇を改善し、介護従事者を大幅に増やして、一人夜勤をなくし複数にすること、人員配置基準の引き上げこそ必要である。コロナ感染対策強化として、検査・ワクチン体制の整備、在宅・施設での陽性者・クラスター対応への支援、事業所に対する公費による減収補填などが求められる。利用者、介護事業所・従事者が直面している困難の早急な打開と、介護保険制度の立て直しが急務である。
経済的な心配をせず、必要な時に必要なサービスを利用、提供できる制度への転換を求め、本市議会は、国に対して、介護保険制度の改善を求めて下記の事項について要望する。

 1. 介護保険の利用に新たな困難をもたらす利用料の引き上げ、要介護1、2の生活援助などの保険はずし、ケアプランの有料化、貸与の福祉用具を購入に変更するなどの見直しを行わないこと

 2. 全額公費により、すべての介護従事者の給与を全産業平均水準まで早急に引き上げること。介護従事者を大幅に増やし、一人夜勤の解消、人員配置基準の引き上げを行うこと

 3. 利用者が安心して介護を受けることができ、介護事業所・従事者が不安なく介護を提供できるよう、新型コロナウイルス感染症対策を強化すること

 4. 介護保険料、利用料、食費・居住費などの負担軽減、介護報酬の改善など、介護保険制度の抜本的な見直しを行うこと。介護保険財政における国庫負担の割合を大幅に引き上げること

 以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。

2022年  月  日

堺 市 議 会

際限のない軍拡競争を招く軍事費倍増の中止を求める意見書(案)

(日本共産党堺市議会議員団提案分)

 「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が11月22日、岸田首相に報告書を提出した。この報告書によれば、相手国のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の保有とともに、軍事力強化の財源として「国民負担」の必要性を強調されている。「反撃能力の保有」すなわち、「敵基地攻撃能力の保有」など憲法に関わる重大な政策転換であるにもかかわらず、有識者会議メンバーには憲法学者は1人もおらず。憲法との関係をまともに議論しないで安全保障政策の大転換を図ることは重大な問題である。

 「抑止力の向上」を理由に軍事力を増強すれば、相手国は対抗策に乗り出し、結果として脅威を一層高める「安全保障のジレンマ」、際限のない軍拡競争を招くものである。しかも、敵基地攻撃能力の保有は、集団的自衛権の行使を認めた安保法制の下、米国が日本周辺で戦争を始めれば、日本は攻撃を受けていないのに、自衛隊が米軍を支援するため相手国をミサイル攻撃することなども可能にするものであり、日本への報復攻撃を呼び込むことになる。

 また、この報告書の中で、防衛産業の育成、政府と大学、民間が一体となって軍事研究開発、空港や港湾の有事への備え、自治体と住民の協力も得て国力を総合するなどとしていることは、あらゆる分野に軍事最優先で動員をかけるものである。

 さらに、報告書が軍事力強化の財源について「国民全体で負担することを視野に入れなければならない」とし、増税を主張していることも重大である。「幅広い税目による負担が必要」としつつ、「多くの企業が国内投資や賃上げに取り組んでいるなか、こうした努力に水を差すことのないよう」にすべきだと法人税を対象にすることに否定的な考えを示しており、所得税などの大幅増が狙われる危険性が大きくなっている。国民への増税や、社会保障など暮らしの予算削減を求めるもので、かつて、侵略戦争のために国民生活を破綻に追い込んだ歴史をくり返すことになる。

 よって本市議会は、こうした現政府の姿勢に強く抗議し、国民の強い懸念のある「敵基地攻撃能力の保有」の検討や国民生活を壊す軍事費倍増の議論を直ちに中止することを求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

2022年 月 日

堺 市 議 会

 

 

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